これも実学

髪の毛をばっさり切りました。あっつい国では長い方がいいのか、短い方がいいのか悩みどころでしたが、今になって切って、なぜもっと早く切らなかったのか!と思うくらい楽。カンボジア人女性は髪の毛が短い人というのはとっても珍しいのです。ちいちゃな女の子や、おばあちゃんには短い人もいますが、大概かなり長くしている。いろんな事情で着飾るときに、長い方が都合がいい、ということらしい。それに倣っていたわけではないが、何となく長いままにしていた、が、いい加減洗って乾かすのめんどくせえ!となって、よし切りに行きましょう、と街の美容室へ。美容室はいろんなところに一杯あります。市場の中にもある。そう、髪の毛を切ろう、と思った理由の一つに、この国では髪の毛を売ることが出来る、ということがわかったからと言うのもありました。髪の毛売ってみたい!お金が欲しいのでは無くて自分の髪の毛がいくらなのか知りたいよ!と、美容室のお兄さんに、「髪の毛売りたいから売れるように切って」と御願いする。が、お兄さんに言われたのは「髪の毛の量が少なくて、長さはあるけど・・・茶色いし・・・売れないんじゃないかなあ」だった。

いくらか知りたい、以前に私の髪の毛には商品価値がありませんか!えー。切ない。売れる状態にそろえて切ってもらったけど、だめなのか、このはげちょびんの分量では。たしかにわたしは小さな時からずっとはげちょびんで色も黒くなく、友達の子ども5歳よりも髪の全量がすくない。別の友達の子ども9歳と比べたら前髪の量くらいしかないかもしれない・・・と思うくらいに少ない。楽しみだったのに・・・こんな結末になろうとは。でもしかたないので、持ち帰ってはみたもののわたしのちょびっとの毛は捨ててしまった。

それから数日後のこと、市場のかつら売り場をみていたら、一角に小さな輪ゴムで束ねられたものが売っている。これ人毛じゃないの・・・?と思い聞くと、そうだという。この一束の分量くらいなら私の髪でもあった!「ここは買い取りもしている?」と聞くと、している、という。ちなみにこの一束、ちいさいのはどのくらいで売れるの(わたしからあなたに)?と聞くと、ちいさいので6ドルだという。

!!高い!そんな高価でうれるとはびっくりだ。私の髪の毛がその価値あったかはわからないが、私の髪のカット代が5ドルなんですけど。切った分売ったら儲かってるんですけど。なんであきらめちゃったのかなあ・・・すてちゃったよー。自分の髪が市場価値より低くてショックを受けるよりも、捨てちゃったからしょうが無い、と思えて良かったのか、難しいところですが、髪の毛を切るのも、その販売にかんするうんぬんも、実学。全て実学。色々勉強になった、と言うことでよしとしよう。

ちなみにあたまあらうのちょー楽です。あっちゅうまなので、最近涼しくなってちょっと辛い水シャワーでも楽々。すばらしい、髪の毛が短いってすばらしい。画像はビフォアアフター。たぶん30センチくらいは切りました。

食欲関連アラカルト 2

さて2回目は自分で作るご飯。といってもスーパーの簡単調理セットで手抜きクッキング。プノンペンでスーパーマーケットと言えばまずラッキースーパーです。ほかにもバイヨンマーケットとかペンシルスーパー、ミニマートの類いなどいっぱいあるが、何しろラッキーマーケットは数が多いしプライベートブランドが充実(プライベートブランドはバイヨンにもある)。肉、野菜、魚など生鮮食品は市場の方がものも多く安いし新鮮なのだが、スーパーの利点は半調理食材が売っていること。揚げるだけにした春巻き、野菜数種を組み合わせたスープ、焼き肉、炒め物の材料セット。これが日本で考えるその価格に比べ格安。

今回はスープセット、お隣タイのトムヤムセットだ−。必要な調味料が全部セットになっている。フクロダケ、レモングラス、こぶみかんの葉、匂い生姜、チリ、ライム。臭い葉っぱとヒラタケはカンボジアオリジナルか。これに市場でエビを買ってくれば、5分ほどの手間で世界三大スープのトムヤムクンが。なんてお手軽なんだ。できあがりが適当なのは家庭料理なので気にしない。カンボジアの家庭料理に良くあるスープのセットだと30円くらいから、肉が大量に入った大きなパックの炒め物や焼き肉セットでも250円ほどまで。この日のトムヤムセットは100円位(エビ別途購入)。仕事上がりに自分でご飯を作らなきゃいけないのにくたびれ果てている!と言うとき、このパックにどれだけ助けられたかしれません。すばらしいよラッキースーパー。

ちなみに先に出ていた、揚げるだけにしてある春巻きセット、こちらの揚げ春巻きには、豚肉のミンチと芋が巻いてあります。芋はどうやらジャガイモではなさそう(里芋などに近い粘りけ)だが芋なのでとても食べ応えがあります。三杯酢ににんじんとピーナッツを入れた甘いたれ(全部セットでついてます)に付けてさっぱりとたべる。酒のあてにも良いし、ご飯も食べられるしこのセットもおすすめ。

日本でのご飯作りに半調理品というのを使った記憶が無いのだが、お総菜と材料の間にこういうものは日本でもあるのかな・・・?鍋の材料セットとかそうかな。この国の料理を知らない中でこういったセットを買うと、ああ、このスープにはタマリンドが入ってたんだ、とか、あー、この味付けこういう材料の構成なんだ、がはっきりわかり、スーパーで料理教室気分。最近は観光ツアーで市場に行って材料を買ってクメール料理教室、なんて言うのもあるらしいですが、スーパーの材料パックセット、見学だけでもおもしろいです。観光ルートにスーパーマーケットをどうぞ。

食欲関連アラカルト1

なんか書いてみたらえらく長くなったので、ご飯シリーズ2回にわけました。

土曜日の仕事を半分で終わりにし、アートストリートに行く前にセントラルマーケットで昼ご飯を食べることにした。セントラルマーケットの食べ物どころは、市場の規模さながらでかなり大きい。食料品売り場のサイズも、その脇にあるできあいがだべられる場所も。今日は何となくカレー気分だったので、ソムローカリーヌンバンチョックをたべる。ヌンバンチョクはカンボジアの生の米麺。生の、と書いたのは乾麺で無い、と言う意味で、米で出来たそうめんのような細い麺が、ヌンバンチョク製造屋さんからバナナリーフに綺麗に並べられて出荷されていて、市場に並んでいる。この麺打ちもバナナリーフに並べるのも職人技だよなあ・・・。ヌンバンチョクの食べ方はいろいろだが、ソムローカリーとか魚の緑のスープでたべるのが一般的だろうか。カレーはもちろん日本人にはハードルの低い食べ方でだめな人はほとんどいないように思うが、魚の緑のスープは臭い草とすっぱい甘いスープなのですこし好みが分かれるかな・・・。なんにせよこの米麺は本当に美味しいので、暑さにやられて食欲が無くてもそうめん感覚でさらっといけます。まあ私はどんなに暑かろうと食欲は落ちませんけど。

カンボジアの果物屋台は、糖分と水分の補給のためのコンビニと同じ。そこら中で見つかります。パパイヤは実は生で食べると臭いです。だめなひとはドリアンよりずっとだめなきがする。甘みもマンゴーやその他の南国植物ほど強くないが水分補給には良いです。それと、名前がわからないが水芋。芋なんだそうですが(地下茎と言うべきか)日本では一番似ているのはたぶんヤーコン。生で食べれるので、つまり難消化性のデンプンが少ないか消化酵素が一緒に入っていておなかを壊さない仕組みの芋(注1)なんだと思う。この芋が、なしの様にほんのり甘くて水分量がすごい。これに唐辛子塩(オンバルマテッ)を付けて食べるので、水分、おそらくミネラルに塩分に辛み成分と、暑い場所での体調管理に完璧な食べ物なんだなあ、よく考えられているなあと感心する。こちらの人は、いつ、何をたべれば良いのか、こんな時は何をたべてはいけないのか、を本当によく知っている。体調管理に大事なのはおばあちゃんの知恵袋なのだ。

さて、旅の成功は食事の充実に左右されると言っても過言ではない、と言うようなことを前に書いたような書かなかったような。とにかく食べ物は大事、一番大事。人間たべないと死んじゃうから。カンボジアでは挨拶に「にゃむばーい?(ごはんたべた?)」ときかれます。たべていてもたべて無くてもいい。挨拶にご飯が出てくるくらいご飯大事。10時のコーヒーも、3時のおやつも仕事上がり前の夕方屋台も、たべて、話して、笑って、楽しくないはずが無いね。この国に旅に来たら、いろんなご飯を美味しく食べてください。

注1 1年の生物の授業でも説明しましたが人間にはアルファ化していないデンプンの分解酵素がありません。だからベータデンプンをそのまま取るとおなかこわしますよ(消化分解しにくい)。これが生の芋をたくさん食べてはいけない理由。ジャガイモのサラダなどは、デンプンを抜くために千切りにして水にさらしますね。例外が山芋、これは分解酵素(ジアスターゼ)を自身で持っているので、生で食べても大丈夫です。不思議な食べ物だなー。詳しく書くときりが無いので簡単に書きましたから、詳しく知りたい人はちゃんと調べてね。

キロ単位

昼ご飯に好物のタニシのカレー炒め臭い草いっぱいバージョン(注1)を市場の片隅でたべ、向かいの果物屋さんのドラゴンフルーツが美味しそうだな・・・と買ってから職場に戻る。買ったものが画像のドラゴンフルーツです。・・・なんでこんな量なんだろうねえ。さすがキングダムオブワンダー。

お姉さんが、「むおいきろー、ぶぉんぽあん。むおい?ぴー?(1キロ4000リエルだよ、1キロ?2キロ?)」」と聞くので、ついドラゴンフルーツはキロ単位で買うものだったのか、と言う気分になり、「むおいきろー」と答えたらドラゴンフルーツを3つも買う羽目になった。ついでに3つを秤ではかったら1.2キロだったので、でも計算が面倒になったのか、お姉さんは「ぷらむぽあん(5000リエルね)」と言って差額の500リエル分をマンゴスチンを放り込んでいた。というわけで、画像のようなことになったのです。

よく考えるとおかしいよね、ドラゴンフルーツはこんなに消費するものだったろうか。いいか。毎食たべればいいか。明日からドラゴンフルーツを毎食食べます。100円でドラゴンフルーツが三つにマンゴスチンが4つ、いい、問題ない。よく考えなければ何も問題ない。

注1 タニシは今好物ってわけでなく、昔から好物なのですが、なかなか食べられないよな・・・ちびっ子の時は田んぼで取ったものだが、あれは、そもそもちびっ子の時にも田んぼでタニシを捕っていたのは、うちだけなのかもしれん。ドジョウも。いや、ドジョウはスーパーで売っているものか。とにかくこの国では食べ放題なのでうれしい。でもいつもカレー味。
注2 画像の端に写っているオレンジの物体は、油です。ハッカ油のような、こちらでは万能油。頭が痛かったらこめかみに塗り、おなかが痛かったらへそに垂らす。大きさ比較、と思ったけど、何も大きさ比較になっていないことに今更気づいたけど、面倒だから差し替えない。画像が横転しているような気もするが正方形に切ったからばれないだろ!と思い差し替えない。忙しさは人を(さらに)適当にする。

集中講義とご報告

いい加減食べ物の話に飽きてきたので、仕事の話。1月に入ってからいつも通り水を汲んだり測定をしたりする間に、同僚を集めては集中セミナーをやっている。鬼教官です。簡単に家に帰れると思うなー!装置の使い方、分析データの取り扱い方を説明するために、上司にプロジェクターを借りてきて、PCをつなぎ、各自の家からラップトップを持ってきてもらい、対応のソフトをインストールして測定室内にプチ講習室を作り、朝から晩までほぼ毎日。ラッキーなことに正月明けだからなのか中国正月との境目だからなのか、同僚の通常の請負仕事がなぜかほとんどないのだ(注1)。

同僚たちは私のしている仕事に関しては、縄張り意識がない。自分だけ知識を溜めようと言う気も、人のことだから手を出してはいけないと言う気も無いらしく、みんなで机(正確にはラップトップ)を並べて、わからないところは教えあうし、わたしの英語が通じない同僚にはすぐにクメール語通訳を入れている。いや、英語が通じないんで無くて私の説明の英語がひどいのか・・・?とにかく、良く助け合ってくれている。説明する人は、説明を聞くだけよりずっと理解が深まるし、私から聞くよりカンボジア人同士、同僚の方が説明が旨いという事情もあったり。

説明を初めて気がついた、喋っていることがわからないからか、私語が全然気にならない。私が喋っている間でも、何かクメールでぶつぶつ言っているが、でも、関係ないことを話しているわけでは無く、私の説明でわからないことを即座に隣の人間に聞いているのだ。日本で、学校でやってたら、「説明聞いて無くてわからなくなっても知らないよ!」と、なりそうな場面だが、私が全然気にならないので、途中で私の話を中断することも、同僚同士で相談することも、教え合うことも、全員声をそろえて「なに言ってんだかわからないよ日本人!」ということも、どんどんしてくれ、と言う風にしたら、誰も脱落しなくなった。私語をしていることはそのまま情報交換になるので、互いが、誰がどのくらいわかっているかを知っているから、お互いの作業の進み具合をみてフォローを入れる。なんて楽ちんな講習現場なんだ・・・と、もうほっといてもいいんじゃね?と思ってたら、理解が進むにつれて質問がめっちゃ増えだした。わたしは適当な人間なので「そんなことわからん!自分で調べて!」と簡単に言います。

だって私ここで、先生じゃないもんね、と思っていたんだけど、お昼を一緒に食べに出たとき同僚に、「俺はおまえがいなくなったらさみしくなるよ。さみしくなるとおもうよ。きっと、おれのせんせいはどこだ、と思うよ」と言われた。原文ママ(直訳という意味です)。おお、なんか先生と認識されてた。わたしはここで先生じゃ無いよ、みんなこの国のプロフェッションなんだから頑張ってやってくれい(注2)。ちなみに先のことを言ってくれた同僚は「あいつはどうだかわかんないけどな!(あいつはさびしいか知らないけどな、の意味)」とも言っていた。おい、最後に自分の同僚を下げなくって良いから。

というわけで読んでいただいている皆様にご報告。わたしもうすぐ日本にかえるんですよ。そうなんですよ。だから今、最終報告(省内で報告会をやれと言われた)の準備などで、もー絶対間に合わない!むきー!と、ゾンビのようになっているのですが、ここにも連絡をしなければいけないと気がついた。このブログはあの辺で雨が降っているよ、というカンボジアでの滞在を伝えるブログなので、日本に帰ったら終わりになるのです。そんなわけでおそらく更新はあと数回。でも上記の様な理由で超多忙なので、最後にやっぱりご飯ネタをいくつか書いて終わりにしそうな感じです。とにかく、あと数回よろしくおねがいします。

注1 請負仕事、まるっきり無いわけじゃなく、もちろんあるけど、同僚は9時から5時まで講習を受け、その後で分析してました。ハードワーク。
注2 先日、なんだかしらないがえらく盛り上がり、公務員のしごととは!から、政府とは!国のあり方とは!行政の役目とは!研究者の仕事とは!みたいな話を実験室で、まるで government of the people, by the people, for the people ・・・よろしい勢いで同僚として(なんかちょっと拳とか振り上げてた)、最後に、でもおまえ帰っちゃうしな・・・と言われた。いや、カンボジアのことはカンボジア人がやろうよって今話してたでしょ!それが一番この国の役人に足りない意識な気がするよ。画像はそれでも超真剣に講義を聴く同僚たち。

ヌンパンパテー、お店紹介

先日のごはん記事にて、私はパンよりご飯が大好きなんだけど、ヌンパンパテーだけは極端に好きらしいことに気がついた。2日に一回くらい、どこかのご飯でたべているような気がする。朝ご飯か昼ご飯か。主に家の近所か職場に向かう先か、だけど、ちょうどヌンパンを売っているお店が多いので、いろんな店のを食べ比べ出来る。この店はパンが美味しい、この店は肉の量がすごい、この店は私の好きな臭い葉っぱとネギを両方入れてくれる・・・などあるのだが、一番のお気に入りのお店を紹介。ここまで10ヶ月近く書いてきて、お店自体を紹介したのは初めてではなかろうか。でも、このお店を紹介したいのには訳がある。

初めてたべたのはたぶん数ヶ月前だと思うが、市場の片隅にあったお店に偶然朝ご飯のために入ったときだった。大鍋に作られていたソースのようなものから、日本人に懐かしいにおいがするのだ。そのときはお皿でパンと、肉、野菜、ソースが載った状態のものを食べたのだが、そのソースがどうやら原料が肉だけで無く魚も入っているらしく、日本で似たものをたとえるとするならサンマとか鰯の缶詰のような味。あれから日本の強い醤油の風味を除いた感じ。魚を砂糖とこちらの薄い甘い醤油で骨なんか無くなるまでくたくたに煮た感じ。原料に元々油があるのか足しているのか、かなりの油も浮いているが、しつこくなくなにしろうまい。なんでさかなを煮たらしいものがこんなにパンに合うんだろうか・・・こちらの人は鰯のトマト煮の缶詰とパンを一緒に食べるのだが、それに通じる感じの味だ。それに職場の周りではこのソースを使った店はここしかない。以来、持ち帰りとお店でたべるのとよく利用するようになった。

問題は、朝しかやっていないお店なんだよなあ・・・と思っていた先月、チーフが夕方、ヌンパンを食べに行こうぜ−、と誘いに来た。環境省の脇には夕方からたくさん屋台がでる。チーフが言うには、おれは先々週くらいにここに初めて来たんだけど、ここのヌンパンパテーはプノンペン一うまいよ!と。それは素敵じゃ無いか、と運ばれたものを見てみると、どこかで見覚えのある配膳。でも魚ソースは実は珍しく無いのかな?とたべてみる。が、これは間違いなく同じ味だろう!とさすがに気付き、屋台の主を探すと、いつもパンを炭火であぶって温めている係のオヤジが、こっちを眺めてにこにこしている。同じ店だ!あの市場の片隅の店は、夕方は道ばた屋台だったのか−。チーフはオヤジから事情を聞いたらしく、おまえ、いつもこれたべてるのか?という。ちょっと前からたべてるよ、これはすごく美味しいよ!というと、オヤジとチーフが、そうか、わかっているな、という風にニヤリ。やっぱりプノンペンでもこのソースの店は珍しいようだ。そしてカンボジア人の口にもこの店のヌンパンはとても合うようだ。カンボジア人も旨いと思う店で日本人の口に合うとなれば、それは紹介しても良いでしょ。

紹介と言っても店の名前などありません(注2)。道ばた屋台もいつまで同じ場所でやっているかもわからず。でも、この店のヌンパンは1度たべてみる価値があるとおもうので、何とかたべてみて欲しいなあとおもいます。朝はプサーカプコーの正面、右端に近いところで、飲み物屋の通路を挟んだ向かい側に5人くらいのスタッフでフル稼働、夕方は4時過ぎから、シハヌーク通りをナーガ方面に向かって進み、右手の環境省の端の角を曲がったその場所、屋台が並ぶところにいます。

ちなみに炭火でパンをあぶる係はオヤジですが、作ってくれるのは美人のお姉ちゃんです!

注1 オーダー方法色々。普通に席に座るとお皿二枚でパンとその他が運ばれてきます。持ち帰りにすると、内容物をパンに全部詰めと、加工肉と野菜だけ詰めたパンにソースとパパイヤの小袋、という方法が選べたりします。価格は大きなパンを半分に切ったのが一つ、一人前で2500リエルです。このメニューしかないので数のオーダーとたべるか持ち帰るかしか説明の必要はありません。チリを入れるか入れないか、とかは頷くか首を振るでどうにかなるよ。
注2 ヌンパンパテーの店は、たとえばセントラルマーケットの東側など、たくさん並んでいるところでは店舗で一日中食べられます。もちろんそう言ったところには店の名前があります、が、屋台や市場の片隅では、店の名前を探す方が難しいことも。
注3 作ってくれるのは美人のお姉ちゃんといったのにオヤジの写真をアップしているのは嫌がらせではありません。おねえちゃん、市場では珍しく毎日綺麗にお化粧もしているし若いしかわいいのですが、やっぱり写真を恥ずかしがってか撮らせてくれない。会いたい人は食べに行ってください。夕方の場所ではお姉ちゃんいないこと多いです。美人は朝ご飯限定。

調査中に色々たべました!

以前記事にした7Makara当日なので職場(役所)はお休みです。役所に限らず一般の会社もお休みのところが多いのか、市場も静かだったなあ。日本人は働くけどね。さて、日本も今日から仕事始めでしょうか。

先日訪カンボジアの同僚から、誰が読んでもおもしろいことを書かんかい、という指摘を受けたので、みんな絶対にたべるでしょ、のごはん記事を。カンボジアは日本人の口に合うご飯を提供できます!日本人の口にあうのでおなかが減っているときに箸を止め写真を撮るのが困難で、なかなかご飯の写真がありません、が、前回の調査旅行でたべたご飯やいつもの朝ご飯なんかをいくつか。

カンボジアの人はスープでご飯をたべます(注1)。スープの具材はいろいろ、魚もあるし、野菜たっぷりのもあるし、スパイスを使ったカレーのような風味のチキンスープや、ベトナムのスープ、という意味の名前(そむろーまちゅーじゅおん)のベトナム料理の定番スープもポピュラーです。そのなかでにほんじんの好きそうな味のスープが、そむろーちーちゃーい、たっぷりの海苔と豚肉や豆腐のはいったスープです。本当にたっぷりの海苔。カンボジア料理はトラディショナルな料理の他ベトナムやタイ、中国などからの影響を受けていますが、この海苔のスープはたぶん中華料理の影響を受けた料理だろう、とのこと。まあルーツはなんでもいいです、すごく旨いんです。ご飯に良くあう、おかずになるスープです。動物系の出汁がしっかりした塩味、フライドニンニクのにおいと風味が効いています。

次は揚げ魚の野菜あんかけ。とらいちあんちゅーあえむ(魚の揚げたすっぱいあまい)。非常にわかりやすい名前のこの料理はやはり中華の影響がありそうだが、川魚も野菜も美味しいこの国ではおすすめです。川魚は丸ごと揚げてあるので、ひれとか頭にちかいところまでかりかりして美味しいです。ご飯がたくさん食べられます。なぜかわからないが黄色い身の魚がいて、この魚はそれだけでたべると鮎の味がします。初めてたべたときはびっくりした。魚によってはすごく身に弾力があり、肉料理の様です。余談ですがカンボジア人はこのすっぱいあまい、という味が好きなようで、日本の梅酒を飲んでもらったときも、ちゅーあえむ!といって喜んでくれました。たしかにあれば甘いすっぱい(注2)。

最後はロックラック(牛か水牛のサイコロステーキ)と迷ったがあえてヌンパンパテー(ヌンパンサイ)を。これはベトナムでバインミーと呼ばれるサンドイッチです。ベトナムのそれに近いのはカンボジアではシェムリアップのヌンパンパテー。カンボジアではヌンパンパテーは地方でスタイルが違う気がするのです。シェムリアップでは、小さなパンを一本使ってパン丸ごとで作るものを売っている屋台があるが、これプノンペンではほとんど見ない。プノンペンでは大きなパンの半分を使って作る。屋台の持ち帰りのほか、お皿にパンと中身と別々に出てきて小さなフォークでたべる店も多い。このスタイルはベトナムでは見なかったような・・・?パンの中には甘いバターのようなものを塗り、肉味噌あるいは魚味噌を塗り魚肉ソーセージや豚の耳の入った加工肉(これがパテー)などとキュウリ、青トマト、くさいはっぱなどを挟み、醤油とチリをすこし足して出来上がり。酢漬けのパパイヤとにんじん、キュウリのなますのようなものが別についてきますが、一緒にはさんで、といえばそれもぎゅうぎゅうに詰めてくれます。加工肉の代わりに牛の焼き肉や叉焼などが入っている店もあります(注3)。とにかく、店によって中身やパンの具合、味にも特徴があるが、どれたべても大概旨い、なんなら旅行中ずっとヌンパンパテーをたべていてもいいとおもうよ、というメニュー。朝ご飯におすすめ。

さて、ご飯の話を書いてみて気がついた、ご飯の写真というのは、どんなに本体がうまくっても、美味しそうに撮るのってとてもたいへんだ。眺めるんで無く、ご飯はやっぱり食べるものなので、旅に出たら太ることを気にせず毎日具合が悪くなるくらいご飯を食べるのが良いと思います。旅の大半はごはんで決まる!カンボジア滞在なのに太ったの!?という突っ込みを避けるための記事では無いです。あしからず。

注1 知り合いの小学生男子は、いつも色々並べられたメニューの中に一品あるスープの汁のみを御飯にかけてかき込んでいる。見るからにスープと大量の白米しか食べていないのだが、いいのだろうか。この小学生男子は9割くらい米で出来ている気がするがそれで良いのだろうか。どの国も小学生男子というのはそういう仕組みなのか。ちなみに残りの1割はバナナとチョコレートな気がします。
注2 こちらに来てからこちらの米焼酎、スラーソーに南国植物を仕込む果物酒をいくつか試しましたが、どれも良いにおいで美味しいのだけど、元が甘い果物なので本当にあまい、リキュール、シロップの様なものが出来上がってしまう。梅酒というのは、よく考えられている。あればすばらしいものだ。
注3 入っているものによって名前が変わったりしますが、どんな具合に呼んだってカンボジア人は気にしません。料理の名前がちょおっとちがうくらいは細かいことにうるさい日本人が気にするだけなのでカンボジアでは気にしないのがよろしい。強いて訳すとヌンパンパテーは「パンとハム」ヌンパンサイは「パンと肉」です。どうでも良いでしょ。ところでヌンパンパテーもバインミーも極端に美味しそうな写真を撮るのが難しい料理ですね・・・。画像はシェムリアプタイプ(と勝手に命名)のちびパン一本タイプ、叉焼入り。