統計的な事情

これまであれが旨いとか、こんな場所があるとか、こんなもの買えます、あんなもの作れます、職場での仕事がどうとか、そういう話をしてきましたが、いただくメールで聞かれたのが「おなか壊しませんか?」とか「カンボジアに行ったときこんなことが不思議でした」というメールだったりしたので、心配性とか好奇心というのは日本人らしくとても良い性格なんだろうな、と思います。海外で押しが弱い、お人よし、と言われるのも日本人の性格と聞きますが、実際にはあんまりそういう感じもしません。某歩き方でたっぷり知識を付けて来ているからか、市場でも「そんなにそのおばちゃんはふっかけてないよ、怒鳴ってくれるなよ、あなた口悪すぎよ・・・」と思うような、なんか切なくなったり悲しくなったり、な日本人に会うこともあります。これは日本人に限らず旅行客は大概そうな気がします。外から来て、ちょっとしかいないからって気が大きくなったり、強気に出てみたり、わからないでも無いけどなんかさみしいよなあ。

寂しかろうとなんだろうと、良いことばっかり書いていてもいかがなものなので、事実として、滞在中にあったヒヤリハットを最後に羅列。ネタにはしなかったけど、こんなことがありましたよ、だから皆さんも気を付けてね、まあ日本人は心配性だし私のようにおっちょこちょいでは無いと思うので、確率として短期の旅行でそんな酷い目には遭わないと思いますが、というリストです。

「滞在中の主なトラブルの例」
バイクに轢かれる → 2回 (重たいオートマバイクの女性ドライバーに注意)
バイクでバイクとぶつかる → 3回 (3回とも私は無傷、運転手が足を打撲とか)
風邪を引く → 2回 (涼しくなってからの風邪はなおりにくい)
リバーサイドで詐欺の客引きにあう → 1回 (省庁勤務だと言ったら世間話をしてさって行った、兄弟詐欺師)
その詐欺師を近くの公園で見かける → 1回 (外国人観光客相手に詐欺の真っ最中だった)
長距離バスが故障する → 2回
リバーサイドでひったくり(未遂)の被害にあう → 1回 (夕方リュックで散歩中すれ違った人にいきなりリュックの首根っこを引っ張られた)
レストランのお会計間違い → 1回 (オーダーキャンセルミス)
ホテルの予約がホテルに勝手にキャンセルされる → 3回 (予約サイトのブッキングで勝手にキャンセルとか、飛び込み客に部屋を開けちゃったとか)

「想定されながら無かったこと」
食中毒 (何でも美味しく問題なかった)
感染症、病気、けが (バイクの事故以外は擦り傷程度)
歯が痛くなる 
財布をおとす、鍵をなくす

私が交通事故に遭いやすい体質であるとかは影響があるかもしれませんが、まあ10ヶ月超いればこのくらいはあるだろう、という感じがします。この手の統計はあくまで統計だし、行動範囲によってリスクはいくらでも変わるので、ああ、私の場合はこれくらいね、ぐらいしか意味を持ちません。

トラブルがあるとだいたい、びっくりして、その後は怒るか悲しくなるか、です。日本人は日本にいて、本当に正確で間違いの無いこと、が当たり前の生活をしているので、本当に「ちいさなこと」、が許せない。これは他人のことを言っているのでなく、わたしもそうです。「ちいさなこと」だと思い込もうとしてもなんかもやもやする、というのはよくあることです。でもこれは、正確であること、が正義だと教えられている国の人間だから、もうしょうが無いんだね。正確であること、よりも、相手がいやな思いをしないこと、メンツをつぶされない、つぶさないこと、を重んじるこの国の人のやり方と、時々本当に相容れないことがある。怒ってうまくいくことはこの国にはほとんどない。よくよく考えてみれば、そもそも大抵の場面で怒ってどうにななるより、笑って頼んで譲り合ってどうにかなる方が良いに決まっている。怒る、と言う行為自体、自分はおまえより上にいる!という自分の意思を自分勝手に相手に伝えていることのように思う。おまえが間違っている、と、どうしてそんなに簡単に決めつけられるのか(怒るという行為はそういうことに他ならないと思う)、人のふりをみる、と言うことはこういうことか、と「なんだおまえ、その年になるまでそんなこともわからなかったのか」と同僚に笑われそうなことを、市場の片隅でもローカルレストランでも知ることが出来る。

そんなわけでこの国が大好きなので、帰る前からすでにホームシックですが、帰ったら帰ったで、日本の生活が楽しいと思います。いる場所が天国なお得な性格。

注1 画像は世知辛いことを書いたので、何か癒される映像はないか!と、私の好きなカンボジアのカエル顔の赤ん坊を。カンボジアの赤ん坊は泣いているさまをほとんど見ない。国民総子供好きの国では、だれかれ構わず赤ん坊をいじるので、お母さんべったりな子どもや、人見知りの子どもというのができにくいのだろう。結果あまり子供が気難しくないんだろう。年末、日本からやってきた一歳児は、おかあさんべったりの超人見知りだったが、毎日のようにホテルの従業員に否応なくかまわれ、あきらめ顔で抱っこされる子どもになったらしい。カンボジア人、親切の押し売りは子どもにも容赦ない。なんでもいいけどかわいいよ、カエル顔。

注2 画像2はこれもまた脈絡もなく最近のあさごはん、ばーいさいちゅるーく(豚肉のっけご飯)、スープ、キュウリと生姜のなます、お茶付3500リエルです。スープは人参とジャガイモをイカと干しえびの出汁で仕立てた優しい味、フライドガーリックとネギ油がちょっと入ってておいしい。何があろうとご飯がおいしい、それだけで正義だなー。ちなみにこのごはん、これで小盛りだから。