実験道具作るよー。

 実験で使う道具のいくらかは日本から送ってあったけど、あんまり重たいものはあきらめた。ガラス器具を立てる架台のベースとか、軸になる鋼棒とか。
角ムッフやクランプ、丸型台座をみせ、組み立てに必要なんですよ、と説明して、ベースを木で、それから鋼棒の購入に向かうことにした。ちなみにムッフは、売ってるかと聞いたら「多分ないけどクラフトマンに持っていけば作ってくれる」といわれた。職人手作りの角ムッフ・・・それはそれで見てみたい。
木工職人の集まる一角で、それらしい厚さのある木をひろい(やたら硬い)、加工を依頼する。あっというまに裁断され、角が削られ鑢がかけられてゆく(注1)。すごいな。
なんという名前の木か聞いたがやっぱりわからなかった。クメール語でクメール女性という意味の木らしい。この木がクメール女性の印象・・・?硬いんですか芯が強いんですか気が強いんですか。あるいは生えているときの立ち姿が美しいのか。

 次は鋼棒を売る店、スチールパイプ屋のならぶ店のなかから12ミリの鋼棒を探す。細すぎる(注2)、といわれたが何とか後ろから引っ張り出してきてもらうと、おそらく7メートルくらいの全長で、うにょんうにょんにしなっている。いつもの印象だと、そんなひょわひょわで大丈夫なのかー?と思うんだけど、これを依頼した長さに切って行ってもらうと、どんどん短いのが出来上がっていって、もちろんがっちがちなのだ。あー、これが座屈か?圧縮加重は・・・?でもなんとなく納得。

 で、帰ってきて組みたたったのがこちらの写真ですよ。なかなかよくできた。うまく組みたたったじゃないかー。ただ組み立てている最中にひとつびっくりしたことが。
丸型台座は日本から持ち込んだのだけど、ベースにした木が、何だか知らないがほんと硬くって重くって(注3)ねじがすごい苦戦する。それでも何とか締めていたら、途中でいやな音が。ねじがまわし切れた。ねじ頭だけぷっちんと。いやー、がんばってよ、日本製。カンボジア製の木に負けているぞ。わたしのやり様が悪いのか、ねじの素材の問題か。最後はあきらめて、丸型台座とベースの木の間にゴムをはさんでぐらつきをなくした。

 最後の難関は左の青色、マントルヒーターを載せる昇降台が必要なんだけど、見つからないんだけど、材料は市場を回ればいくらでもあって、組み立てられそうだけど、頭の中で形は何とかなる、が組み立ての実際が浮かんでこない(蛇腹に伸びたり縮んだりするアイツです)。何とかしてください、機械の先生。こういうのもちゃんと訓練しないとだめなんだろうなあ。しばらく昇降台はあきらめて、毎度人力(手間により2人がかり)の作業をすることにします。人海戦術にていろんなことをカバー。

注1 木工屋では建具から仏像まで何でも作っています。裁断の機械やいろいろが「日本製だぞ!壊れないんだ!」といわれました。
注2 店頭で売っているのは40mmくらいから。何に使うんでしょうなあ。ちなみに木の板2枚(40×60mm)と鋼棒7メートルは同じくらいの値段
注3 バイクでこのすごい密度の木板と鉄の棒6メートル分を運ぶのは至難の業(というか私が筋肉痛)。こちらの人は何でもバイクで運べますが(人なら6人からガスボンベや豚まで)あれは職人のなせる業だった。素人は真似しちゃだめです。