UPSその後

  先日の工事でUPSにinput、outputは10mm2のケーブルを使い、ディソンタからの分岐には6mm2のケーブルを使った。メインのラインから50Aのディソンタを経由して、これをメイン電源とする!ということで、分岐にはICP-MS(重金属分析装置、画像上)、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置)それぞれに32A。
  私が使うのはGC/MSのほうなので、そちらの容量の確認はしてあったのだが、今日になって、ICPを使うというので様子を見に行った。で、なんかトラぶってる。仲良し電気エンジニアは、「大丈夫!」と言い張ってるし、ボスは「うごかなーい!」と言い張ってる。

  何が起こっているのやら。でもとりあえず電気エンジニアの彼と、容量の計算をする。
ICP-MSは本体が6000VA。でかいなー。周辺機器が公称で12.2A。これもでかいなあ。・・・てゆうかちょっと待ってー、6000VAって。がさっとだけど力率0.7としたら、両方で31Aくらいになっちゃうけど?使ってるディソンタ32Aですけど!?おいどうなってんだ!とおもいエンジニアに聞いたら、「大丈夫大丈夫、超えてたらディソンタ切れるもの」だって。そりゃブレーカー落ちるって意味でしょー。「切れてないから超えてない。」

・・・うん、確かにそうだけど、切れてたらUPSの意味ない。UPS設置して自力で停電起こしてどうすんだ!!まあ、実際には12.2Aのとこは測ったら8Aくらいだし、大丈夫そうではありますが、この国に安全率の概念はない。

あわててGC/MSのほうも、つたない知識で計算しなおしました。大丈夫でした。こわいこわい。

 ちなみにその後ICP-MSはちゃんと動いてました。ボスの方の準備が足りてなかったみたい。エンジニアは正しかったようだ。でも安全率はもっと見ようよ。怖いよ。余裕があったらディソンタを32Aから50Aに代えようよー、という話をしました。余裕、というのはですね、そもそもは32Aが10ドル、50Aが22ドル、という値段のせいだとおもうから。私はお留守番で買出しに同行できてないし(注1)。予算の壁。環境省に予算をください(注2)。

本当のところ、UPSのスペックについて聞かれたとき、こちらからはICP-MSには15KVA、GCに10KVA、MSに10KVAと答えた。GC/MS は周辺機器まで入れてだったものの確かに安全率見すぎだけど、この3台をディソンタでの配電で1台で済ます(そのために壁にいくらだって穴を開けるぜ!)という知恵の仕組みにはちょっと感動した。ただ3台を1台にするなら15KVAにしようよう。でもでも、予算の中でがんばる環境省職員(職人)にエールを。

注1 同行できてたら、気づいてたら、自分で払うからでかいのにしてくれ、と頼むところだ。経済設計とか言う話でなく、この国の人の大丈夫は日本の安全の概念のうちではない。
注2 実は環境省にはどこから予算が出ているんだ!と思うようなものもあります。例の一つが画像(下)の環境省印のサンプリングカー。サンプリングカーというか、移動式実験室。地方での水質分析や環境分析に力を入れようという流れらしく、車ごと移動して実験しよう、見たいなことらしいです。Fordの立派な車。後部座席が取り外して実験室になってます。