本日の蚊

 10人も人の居るラボで、私だけが蚊にくわれ続けています。何か不公平を感じる。この不公平感が妙な妄想を引き起こすのかもしれないが、どうも毎日一匹ずつ、私を攻撃対象にしている蚊が居るような気がする。私が「今日の蚊!」」といってうちわでばしばし机をたたくたびに、同僚が「あぁまたモスキートと戦ってるよ」という目で私を見る。

何だろう、毎日一匹ずつのこの蚊はどこからくるの?なんか世代交代しているの?今日のお前は昨日のあいつの子孫なの?あの日本人の血を狙えと遺伝子情報に刷り込まれているのかーーー、とアホな妄想とともに私だけが蚊と戦う毎日。

香水をふっていると蚊がよってこない、という話を聞き、私も自分とカンボジア人の違いは香水のにおいではないか、とうすうす思ったりしていたので、作業着に香水を振りかける人体実験。結果、作業着なのに良いにおい、というなぞの服が出来上がる。良いにおいなのはいいんだけど、カンボジア人と日本人、両方香水が匂っていても、やっぱり日本人が蚊に刺される、という、香水をブランクとしても検出されるピークの問題にぶち当たる。出る杭は打たれる、出る日本人は刺される。

それに家ではすこし頼りたい殺虫剤や忌避剤、香水だけど、あんまり使ってるとこれからのラボでの微量分析におそらく支障をきたしてしまう。だから今日もまた、ラボでは本日の蚊とうちわ1本で戦います。うちわ1本!聞こえはかっこいいけど(いや、かっこよくないな)、連戦連敗。

注1 画像はなぞの作業着。ほんとにいい匂いになっちゃった。作業着だけど。ここの日本人は毎日こんなん着て仕事してます。同僚は何でこんな写真とるの・・・?みたいな顔しつつ撮ってくれました。うちわだし、そうだよね。みんな、測量の実習でおなじみの作業着ですよ。ペットボトルから出来ている、と言う説明がカンボジア人に通じたことはいまだありません。