リバーサイドの土木ネタ

 プノンペンではトンレサップ湖から流れてくるトンレサップ川、それが一度メコンと合流してまた分岐したトンレバサック川、上下流のメコン、4つの川が合流分岐しています。そのトンレサップからトンレバサック沿いあたりが観光客も多く集まるリバーサイドエリア。 リバーサイドのウイークエンドマーケットのあたりからしばらくの区間、堤防の街路樹がとっても小さい一角がある。距離にして300m足らずか。土木の人だとぴんと来るかもしれないが、お察しのとおり、破堤(注1)のあとです。2年ほど前のこと、雨季の増水したトンレサップ川の水でこのいったいの堤防が破堤したのだそうです。当然、護岸に植わっていた木が一緒に流れちゃった。だから今植わっている木は、護岸を作り直したあとに植えたもの=小さい、ということです。

王宮前などは堤防もずいぶん前からコンクリートになっていて、最後に土のまま残っていたこの一角が、2年前にやられたので、その後工事して今のような堤防になったのだそうな。トンレサップ川では、右岸であるプノンペン、シティーセンター側の堤防はほとんどコンクリ護岸になっていますが、左岸は土の堤防で、川沿いの半水上家屋が撤去され、水上生活者も少なくなり、つまり現在、目下工事中なんだないかと思われる。大型重機、バックホウとかも入っているようなんだけど、トンレサップ川沿いに夕方、ボーっと川を眺めていると、向かい岸の工事の様子がわかったりわからなかったり。え?わかったりわからなかったりなんです。

工事がどんな風に進んでいるのか、造っていそうではあるんだけどな・・・?工事中のようには見えるけどまったく詳細が見えないのが、この国の土木工事の特徴です(注2)。最近は雨季を控えて(ってゆうかもう入っちゃってると思うけど)ご近所で排水の工事が多くなっているような気がします(画像中)。中規模なんだけど、重機が入るほどでなく、基本的に人力(スコップで手堀り)。
「本当は雨季に入る前にやりたかったんだけど、雨季に入る前ってすっごい暑いぜ、だから早朝と夜仕事するけどやっぱ進まないぜ、で、雨季っぽい雨が降るようになっちゃった、あぁ、昨日夕方の豪雨で、昨日掘ったところ(人力)が砂に埋まっちゃったあぁぁー。」
という感じの現場を毎日見ます。いや、私の勝手なアテレコです。がんばれ職人たち!

注1 破提と言うほどのものでもないですが、護岸が、がさっと崩れた、と言う状態。日本のように堤体がはっきりわかる形であるわけでなく、低内地がただただ平らなので、雨季の水位が上昇した時期に提内地と同じ高さになった川の水が、護岸の角を削り取って行った、と言う状態が近いのでしょう。以降、土木屋でない方のために。堤防をはさんでの内と外、という言い方をするのですが、川が外、われわれの住む側が内、となります。そのため、提外地=川、提内地=住宅地など、という呼び方になるわけです。
注2 大きなビルなどの建設工事やアパートの建築工事ははっきりとやっていることがわかりやすく、あっという間にできるものがおおい気がする。これが公共工事と民間の力(=お金)の差か・・・?
注3 画像下、昼からビールに出かけたリバーサイドで雨で身動き取れなくなり、やっとやんだと思ったら帰り道が水没してた。それでも客を引くモトとトゥクトゥク。この中を進もうなんて君のバイクは船か!プラグ浸かって動かなくなってるモトがそこらじゅうに居るじゃないか。排水設備大事。聞くと王宮一帯は土地が低いので、集中的な雨で必ず道路が冠水(とゆうか場所によって腰まで浸かる)という。1時間くらいでひくよ!だって。すぐだって言いたいんだろうけどね、それは国の威信にかけて王宮前から排水設備を整えようぜ・・・。それに足はぬれると痒いし(仕方ないからサンダルでばっしゃんばっしゃん帰った)。