標準品が到着するよー

来る!であわてているのは私だけなんだけど。

朝、ボスが書類を持ってやってきて、内容品はこれであっていますか?チェックしてね、ということで見ると、先の溶媒と同じくこちらに到着してすぐ発注の相談をして、途中購入先(製造販売会社)の比較など紆余曲折はあったものの、とりあえず発注になった標準品(注1)でした。そもそもそこそこお高いんですがそれ以上にこの国で購入するとなったときのネックは輸送費(注1)。200ドル程度の品物を購入するために払う輸送費は500ドル近い。発注書の確認をすると、手配した物品はアメリカの2都市から発送されるらしい。今日受け取った書類は発送書だったのでこちらを見たら、シカゴとセントルイスから、チャイナエアとエアフランスで運ばれてくる。

書類を見ると、チャイナエアの経由はわからないが(最終経由地は台北)エアフランスはセントルイスからシャルルドゴールに運ばれそこからプノンペンに到着する仕組み。どんだけうろうろしてから到着するんだ。それにチャイナエアとエアフランスでぜんぜんお値段違うし、なんなの、これはおなじ物品を注文するたびにどこから発送でどの航空会社を使うかによって購入額が変わるということなの・・・? チャイナエアラインの到着は今日だ。今日か!空港にとりに行かないと!といったら、いや、書類とか必要だし、と止められた。大臣のサインもらって、関税のこととか処理する書類を空港に(税関に?)提出するってことのようだ。そりゃそうだよな。

来る!とあわてた日から2日後、チーフが書類を二枚もって来る。税関とかだすやつ。
「ね、この値段って660ドルぽっち?66000ドルじゃなくて?」
「ぽっち」だとぅ!?十分高いわ!と思って書類を見たら、うわぁー、すごいこの書類、コンマの位置間違って659.80ドルの品物が65980ドルの品物になっちゃってるよ。そりゃ「ぽっち?」って言葉になるかもだけど、どんだけ標準品高いことになってるんすか。チーフは、「あぁー、変だと思ったんだよねぇ。もう一回書類作らなきゃ・・・」と悲しそうでしたが、書類が着々と準備されている、と一安心の私。でもエアフランスの到着は金曜の夜だ。つまり取りにいけるのは週明けだ。

さて、週明け、今日空港に行けないと明日は国民の休日よね?そうすると明後日になっちゃうよね?と同僚に笑顔で、取りに行きたいよ!を全力アピールする私。同僚は圧力に負けチーフに電話をする。チーフからは「まだ大臣のサインがないんだよ」という話で、じゃあ明後日ね、仕方がない、と思っていたら、午後になりどういう手段かわからないけど入手された書類を持って、チーフが出張していたカスタマーのオフィスから空港に向かい、品物を受領してきてくれる、と言う電話が入った。ほんとは一緒に行ってどんな手続きがあるのか見たかったけど文句は言わない。届いてくれれば。ラボの中で、あいつが全力で笑顔のときは何か怖い、みたいになっていることが少し心外だな!でもみんな良く汲んでくれてありがとう。

ただチーフは空港で大変な目にあったらしく、待たされて待たされて荷物を受け取れたのは夜7時近く、いろんなセクションに回って回って大変だったよ〜と言っていた。それでも私に文句はぜんぜん言わないのがチーフのすごいところ。ありがとう、ごめんなさい。でも税関での、空港での、チーフの、pay for customs, pay for serviceと言う台詞にいろいろなやり取りがあったようだね・・・と思いました。今度はついていってブラックなところを見るぜ。税金、「その他」どのくらいかかってるんだろう。

注1 標準品(スタンダード)というのは薬品会社で製造(合成)される純粋な化合物です。測定をしたい物質とわかっているものを測って、実試料(環境中の濃度)との比較対照とします。不純物を含まない状態で、濃度も明らかなものでそこそこお高いです。今回のは1mlで80ドル程度と安いほうです。ちなみに日本で買えばおそらく輸送費は代理店?薬品会社の在日法人?によってそれぞれの製品に上乗せされている、と言うことでしょう、と思います。日本の価格のほうがこちらで確認するUS$の価格より高いから。

注2 画像は到着したダンボール(上)とその中にちんまり入っていた標準品(下)。チーフが、これ、なんでEMSで送れないの・・・と愚痴ってた。気持ちはわかるけども。同じところから来るのにどうしてひとつにひとつ段ボール箱がいるのよ、も愚痴ってた。それは私も思う。航空法とかの絡みなんだろうかねえ・・・。