360度の視界

ラボでは今週になって装置の不調が相次ぎ、半泣きになっているので、ブログ書いてる場合じゃないよ!(注1)なんですが、ひとつ、私もちょっと故障した話を。

人間に見える範囲は水平方向では大体200度くらい、と言う話をご存知でしょうか。人間は前に向かって目がついてますから、当然正面を向いて後ろは見えません。両腕をまっすぐ横に広げると左右の視界にかすかに自分の腕が見える。それを後ろに少しずつ広げて、見えなくなったところが自分の視界の限界と言うことです。

もちろん私もそのくらいしか見えません。考え事をしながら歩いていることも多いので多分もっと狭いです。で、先日バイクにひかれました。
こちらに来て右足を火傷し、治りかけたころに左足を火傷し、カンボジア人に成長の無い人だと言われ、心も痛かったのにバイクにひかれると本当に物理的に痛いです。当たり前です。

自宅から職場に向かうのに、一方通行の道路を2回横断します。片方には横断歩道の白線がありますが、もう片方にはありません。というかそもそも横断歩道の白線の上を渡っていようがその前で待っていようが車もバイクもトゥクトゥクも止まりません(注2)。そのすべてをよけながら自力でわたるのです。

ボーっとしながら歩きがちな私もこのときは全力で道路横断に集中します。でないとひかれちゃうもの。
でもね、一方通行では車両が来る方しか見ないの。だって一方通行なんだもの。そうしていたの。その日もそうしていたんです。右しか見ていなかった、ら、突然の左からの衝撃。一瞬何が起こったかわからないものなんですね、やっぱり。左足に熱さと鈍い痛みと、目の前でふらつくバイク、しばらく走って私がそのまま立っているのを確認して、走り去っていきました。呆然としていると次のにひかれそうなので急いで横断。渡ってから、ああ、いま、交通事故にあった!と気づく。足痛いし、動けてるから良かったけど打撲だけでなくこれは火傷だなあ。また火傷!もう、火傷し放題だ。でも作業着の上からだからちょっとで済んだ。作業着最強。

や、ひかれたけど、一方通行だったけど、でもこの街ではバイクも自転車もトゥクトゥクも車も360度からくる。わかってる。十字路だって90度おきじゃないんだよ、360度からくるんだよ。忘れていた私が悪い。そもそも人間の視界は狭いんだから、一方だけ見ているのはてんで間違いだ。それ以降、一方通行だろうがなんだろうが、道路を渡るときにはぐるんぐるんくびを振っています。渡り終わると少しくらくらする。
みんなも交通事故には気をつけよう!そのときの火傷もだいぶ治ってきました(故障の修理)。気温のせいか、歳のわりにこっちに来てからのほうが傷の直りが早い気がします。でも怪我はしないのが一番だよ!

注1 ほんとに結構なトラブル続きで順次の対応、対策が必要なので、ちょっぴり更新頻度が落ちると思います。これはこれとして、暇つぶしではなく一応情報発信と思って本人はやっているので(情報が私のおっちょこちょい話ばっかりですみませんが)、ぽちぽち書きます。
注2 先日横断歩道でわたるチャンスを待っていたら、車が止まりました。日本では当たり前のことに、一瞬何が起きたかわかりませんでした。恩師が始めてカンボジアにきたとき、プノンペン市内には信号が一機しかなかったそうです。いまはそこらじゅうの交差点に信号があり、歩行者用信号もあり、自動車教習所もあり、トラフィックおまわりさんも気まぐれに仕事をしている。事故は毎日新聞の紙面をにぎわしていますが(本当に多いです。注意喚起らしいです。)だんだん良くなるといいねぇ。
注3 画像、交通マナーに文句を言ったり腹を立ててもそりゃいいですが、でもひかれない為に結局自分でどうにかするんです。文句言ってもどうもならん。と言うわけで装置のトラブルも「なんでだよ!」をいっててもダメ。泣かないぞ!さー、修理するぞー。