あの辺で・・・いろいろ起こります(注1)

 カンボジアの昼休みは12時から2時まで。大体みんな11時半くらいからぱらぱらいなくなって、2時半くらいに戻ってきます。もちろん12時過ぎに出て行って2時前に帰ってくる人もいるけど、みんな自宅に帰ってお昼ごはんを食べたり昼寝をしたりするので、昼休みはかなりゆっくり。客商売でもないし、仕事がないともっとゆっくり。

私は大体12時すぎに家に帰ったり、レストランに行ったり、ご飯を食べて1時過ぎには戻ってくる。ただ出たのが遅いときは戻りも当然おそくなります。で、1時前にご飯を食べにでて、2時過ぎに戻ったら、仲良しエンジニアが「まってたよー、1時間もお前が来るの待ったぞ。」と。

カンボジア人が、昼休みを早上がりして、1時から仕事のためにスタンバイしていた?そう言ったのか、君は今。えーーすごい、、、日本人からして、なんでもないことのように思うかも知れませんが、これはね、結構すごいことだと思うんだ。仕事のために日本人が帰ってくるはずの時間に合わせてラボにスタンバってる。いろいろ起こるなあ・・・とちょっと感動した。仲良しエンジニアは、お前が来ないとあの部屋の鍵開かないし、とぶつくさ言っている。そうか、今日はチーフも外仕事だもんね(私とチーフだけが鍵を持っている部屋を開けたい)。

でもね、ちょっと感動したけどね、そういう時は電話すればいいんだよ、というと、むむ?と少し苦い顔をする。急かされるのが嫌いなカンボジア人は(注2)、人を急かすこともほとんどしない。みんなじーっと待ってる。レストランでも、屋台でも、じーっと待つ。待たずに突っ込むのは駐車場にバイクを止めるときくらいか。あれは急がないと暑くって具合悪くなるからな。

思うとおりに進むばかりの仕事ではないが、こつこつやっていると足並みを合わせてくれる人がいる。それに何も考えて無くても毎日の行動は大体見られていて、把握されているものなんだ、と改めて思う。言葉がほとんど通じないからといって、だから手を抜いたらいかんのだろう。話が通じないから余計行動を見られている、そういうことなんだろう。

さて、エンジニアが私を待っていたのはUPSを修理するためです。そちらのお話は、少し長くなったのでまた明日。

注1 ブログタイトル「あの辺で雨が降ってる」はもともとメコン川に水を汲みに行ったときにカンボジア人が「スコールの雨のカーテンがあの辺にあるよ」、と言う意味で教えてくれた言葉(英語での説明)でした。これはクメール語にすると実は結構難しく、なおかつ最近日本語でも「あの辺」という単語の距離感には人や場合によって差があり、面白い言葉なんだと気がつきました。「あの辺」が自分からどのくらい離れているか、はそのことに対する関心の強さ、も表しているかもしれません。この辺でもその辺でもないあの辺。はい、これは余談です。

注2 急かされるのが嫌いというか、急ぐ意味がわからない、というのが正しいのかも。もちろん締め切りやなにやあるものもありますが、急ぐ意味がわからない(急ぐことに意味を見出さない)人に、になぜ急がないか、と怒ることはナンセンスですね。怒る方が間違ってる、だってそれは文化に近い。だから怒るのではなくお願いをしないとね。