神エンジニア再び

日本では家電製品は100Vで使うように売られています。中学生でも知ってるね、学校で習うもんね。当然日本で買ってこちらに持ち込んだ電化製品は、こちらの220から240Vでは使えないので、ダウントランスをかませます。
それをしなかったら、バチッていって、焦げ臭いにおいとともに一発で壊れます。

・・・そんなことは十分知っているんだけど、この間のあさ、ボーっとしながら作業をしていた私は、GCMSの心臓部の部品を磨くためにグラインダーを動かそうとしてダウントランスをかませわすれ、バチッて言わせました。焦げ臭いにおいがしました。知ってることは試さなくていいのにー。当然壊れました。動かないよー。

そのときは泣く泣く手作業で磨いたのですが、このままではこれからずっとグラインダーが使えないのはつらい。どうしよう?市場に行ってそもそも220Vですぐに使えるのを買ってくるか?ジャパンテクノロジにこだわるなら日本からもう一度持ってきてもらう?とかいろいろ考えましたが、そもそもそんなに精密な道具ではないので、日本製にこだわる必要はないけど、まずは仲良しエンジニアに事情を説明して直せないか聞いてみることに。

運の悪いことに、もともと一緒に部品解体および磨き作業の約束をしていたエンジニアは、私が昨日それをやってしまったことにちょっと怒っている。「何でさきにやっちゃうの!解体と磨きと組み立てやりたいっていったのに!」と、文句を言われた。どうしてエンジニアという人種はこういった作業が大好きかね・・・?「そうは言っても、昨日君はGEのセミナーで省から一日会場のホテルに派遣されてたんじゃないのよ。私たちも分解洗浄を待てなかったんだもの」、とか言い訳はしたが、まだむくれている。

わかった、じゃあ組み立て作業を一緒にやろう、と細かい部品を並べて組み立て作業。ピンセットでまわす螺子、3.2ミリのレンチ、ほんとに六角なのか見えないサイズの六角レンチ、使って組み立て、本当に楽しそうだなあ、君。機嫌が直ったのか、お前のグラインダーも治せるか見てやる、と持って帰ってくれた。

そして週明け、日本人、お前はラッキーだぞ!とグラインダーを持ってきてくれるエンジニア。聞くと、カンボジアでは見つからないかと思っていたダイオードとコンデンサが見つかったので、修理できる、という。このダイオードの容量だけわからんから調べろ、といわれ、急いでgoogle先生に聞く。同じ型番の、32Vだって!と言うとと、わかったー、と昼休みあけ、33Vのダイオードをもって帰ってきた。

さて直すよ、と机から銅線、はんだごて、はんだ、松脂、いろいろ出てくる。不思議な机だなー。お前やるんだよ、俺はお前の修理は金取らないんだからな!と、まさかのはんだ付け。いやあ、覚えてるもんなのね。やればできるのね。私が吹っ飛ばしたせいでなくなってしまった基盤の配線は銅線でつなぎなおし、買ってきてくれた部品を付け直すと、多分これで動くぞ、と。

本当に!本当に直るのかー。やったー!ダウントランスにつなぎ、恐る恐る電源を入れると、、、動いた!ちゃんと動いた!前と少し振動の大きさに違いはあるが、問題なく動いている。よかったー。となりでエンジニアがニカッと笑う。買いなおしも日本からの送付もなし。本当にありがとう。君はヒーローだ。というか今度から師匠と呼びます。ありがとう師匠。

注1 画像、グラインダーの中身と師匠のお手本。それからぜんぜん関係ないけどICP-MSの基盤。基盤て街の航空写真みたいじゃないですか?かわいいなー。