早く起きた朝は

最近涼しくなってきたプノンペンで、珍しくすっきり目が覚めたのでそのままばたばた着替えて、涼しい空気の中を出勤してみることにした。だらだら目が覚めるとなんとなくそのままだらだらして、ついNHKBSなぞ見て、うわー、暑くなってきちゃったなーという時間(注1)に出勤する羽目になる。

職場に着くと、私だっていつもより少し早いのに、珍しく鍵が開いている・・・この時間に私より先に誰が来ているんだ?とのぞくと、エンジニアも若手君もチーフもばらばら実験室から出てくる。ええ、なんでなんで?と見てたら、いろいろな装置を手に持ち、・・・そうか今日は大気のサンプリングをするんだ。サンプリング装置の部品やら電源ドラムやらもって出てくる。サンプリング時間が長いので、早くからスタートするんだね。

セッティングとか電源の配置とか写真係とかした後、あっというまに暑くなってきたなーとラボに涼みに入ると、若手君が私の渡したシンポジウムの案内と論文など、ぱらぱらめくっている。「準備の調子はどうよ、間に合いそう?」とか「この論文のデータを引用しようって話だけど、値のまとめ方がカンボジアのデータの整理したやつと違うよ」とか「だったら元データから値を拾いなおそうよ」そんな話をしていたはずだったのだが、チーフが来て何かちょっと言ったら、急に論文を使った若手君の説明が、論文を横に持ち「鉄板の上にね、こう魚と卵と・・・」となった。・・・・今まで話してた論文の話はいったいどこに行った!どうしてカンボジア人はこう唐突なんだ!しかもなんでご飯は何よりも一番大事なんだ!いや、大事だな、ご飯は何よりも一番大事。ご飯ないと死んじゃうもの。

というわけで、画像、なんだいなですが、牛の形の鉄板の上に、トマト味のオイルサーディンと牛肉、半熟卵にソースがかかり、コエンドロがあしらわれたこれは、トマトとたまねぎとレタスが付け合わされて白米が添えられたこれは、カンボジアの朝ごはんです(注2)。職場のみんなで朝ごはん。結構普通の光景で、このお店も環境省職員たっぷり。カンボジア人は朝から何をたべるんだろうね、と思いましたが大変おいしくいただきました。早起きのおかげで幸せ朝ごはんだー。
食べた後で「おいしかったか?日本のと違うか?」と聞かれたがそもそも日本でこんなご飯を見たことは無い。「これは日本よりずっと安いぞ」、というがそれは確かに、でもそもそもこれを日本の何と比べればいいの?朝定?そうだなあ、価格で言うなら牛丼の半額以下だよな。

ちなみにご馳走してくれたチーフのご飯と共にのお話は、日本人、お前の職場にはほかにGCMSのスペシャリストはいるのか?日本人、俺は中国やほかの国のラボにも行ったけど、Gみんな日本人のGCMSのスペシャリストが住んで働いていたぞ、日本人、お前この国でずっと住んで帰らなければいいんだ、という。いままでの協力隊の皆さんはこれをどうやってかわしてきたのか。ただでさえ忙しいチーフ、便利屋が居なくなったらまた忙しくなっちゃうもんね・・・。ん?わたし餌付けられているのか?そもそも私はGCMSのスペシャリストじゃないぜー。ちょっと使えるくらいの話だー。と言っても仕方が無いので、私が帰るまでに、みんながんばってGCMSのスペシャリストになってよ、と激励してみる。

食堂からの帰り、大気サンプル採取装置のパネルを確認すると、8時半、気温はすでに30度を簡単に超えている。今日もこの街は暑くなるぞ!がんばります!

注1 朝7時ごろの出勤だと間違いなくすずしいです。8時近くになるともう暑さがじわじわ来る。早い時間の出勤は、暑くなくて、道がすいているので交通事故にあいにくく、いいこと尽くし!
注2 けして一般的な朝ごはんではないと思います。このお店の売りなのかな?一般的な朝ごはんは、ばーいさいっちゅるーく(焼き豚肉のっけごはん)とか、くいてぃう(米麺)とか、ぬんぱんぱて(バゲットサンドイッチ)などです。全部おいしい。