ちびっこホイホイ

先週は水辺に向かうことが結構あった。日本から共同研究などでお世話になっている教授一行がいらして一緒に水汲みに出たり、休日を使ってプノンペンから少し離れた湖に出かけたりした。お出かけについて別に書くことにして、まずは水汲みの話。環境省の同僚にガイドをお願いし、環境省の車を出してもらっての採水作業、トンレサップ川やメコン川、トンレバサック川などいくつかを回り、橋の上からバケツを投げたり、pHや電気伝導度をしらべたり。いくつかの川では先に自分が水をくんだことがあったので案内ができたのだが、そのとき使ったバケツを持って行ったのだが、自分が水をくんだのは雨期のおわり、一番川の水位が高いとき、ということを忘れていて、ひもを一番下までたらしてもバケツが川に届かない、というハプニング(というかただのわたしのおっちょこちょい)。

しかたがないので船をチャーターしましょう、と橋の麓の集落へ。同僚が、近くの市場でひもを買えばいいじゃないか、といったのだが、確かにその通りなのだが、たぶん先の教授の趣味なんじゃないかとおもう、船で採水、が。実際船で川に出るのはものすごく楽しいからなー。小さな漁船がいくつか並んでいて、同僚が川の真ん中まで船をだしてくれ、と漁師と交渉してくれる。借りられた船に乗り込み、川の中程まで言って水をくむ。川岸では集落のちびっ子たちがかわりばんこにばっしゃんばっしゃん川に飛び込んで水浴びをしている。

川で水をくむという作業はちびっ子ホイホイのようなもので、どこでやってても(日本でも海外でも)それはもうわらわらとちびっ子が寄ってくる。なにやってんの、なにやってんの?なんで?どうして?という好奇心の塊たち。この集落のちびっ子たちのなかに双子がいた。本当に同じ顔!とんがり耳で超かわいい!にしても同じすぎて見分けがつかない。二人ともにこにこしてるし、服は違うけどひっくり返されたらわからない自信がある。どうやってみんな見分けてんの・・・?と思っていたら頭を突き出す二人。よくよく見ると、!!これはすごい、見分ける方法は、つむじが1つか2つか。見分ける方法までかわいい。

水をくみ終わって去り際、何をいってるんだかぜんぜんわからないけどまたギャアギャア騒いで笑って水に飛び込んで手を振る。楽しそうだなあ、一日水浴びして過ごすんだな。

午後の採水ではそもそも橋が架かっていないメコン下流へ。メコン川の下流には、プノンペンよりしたではベトナムに入るまで一本も橋が架かっていない。今、国道一号線の船で渡る部分に日本が橋を架けている。2015年あたりだかに完成のはずだが、現状橋から水はくめないので、キエンスヴァイのあたりまで道路を下り、ここでも船に交渉。

聞くと、雨期で水が増えている今は、魚があまり捕れないので漁師があんまり船をださないらしい。そのため船を探すのに一苦労。で、こちらで船を出してくれたのはちびっこ船長、本日の最年少キャプテン(画像下、黄色の彼)。どうやら同僚の頼みに、母親からあんた船出しなさい、といわれたらしい様子。日本人の目で見ると、どう見ても7,8歳にしか見えないのだが、もしかすると12歳くらいかもしれない船長(注1)は、バゲットをかじりながら手際よくロープをほどき、3艘に1機、共用の船外機を据え付け直し、ペットボトルでガソリンを買ってきて給油し、船を出す準備をしてくれた。隣の船で網を片していたお兄さんと一緒に船に乗り、我々を乗せて手こぎでしばらく進み、船外機が動き出すとなれた感じで舳先に寝っ転がり、空を眺め手で水をパチンパチンたたきながら進むちびっこ船長。あまりの落ち着きぷりと貫禄にため息しか出ない日本人一行と、ちびっ子が船長だったことに笑い転げる同僚。なんかシュールな水汲みだなあ、おい。

一日をかけて4河川を回った水汲みはちびっこをホイホイしながら無事終わりました・・・といいたいところですがトラブルは盛りだくさんにあった。お察しの通り私のミスが盛りだくさん。でも転んでもただでは起きないよ、ここにトラブルを書いて、一回分の記事にしてやる。というわけでそのトラブルはまた後日。

注1 船の操縦に年齢制限があるのかはしりません。カンボジアの子どもはやっぱりすこし日本の子どもより小さい気がする。先日友人の日本人の子どもを連れて遺跡をまわっていたとき、年齢を聞かれて9歳と答えたら売り子のお姉さんが13歳くらいかとおもった!とびっくりしていた。画像は貫禄のちびっこ船長とわたしメロメロの双子。とんがり耳が超かわいい!←二度目。