エーチャイさん

ビールが大好きです愛してます。突然の愛の告白ですが酔っ払っているんではなくて今日はカンボジアのアルコールと空き缶のはなし。未成年の学生諸君はお酒の部分は気にするな。アンコールビールが2000Rで買えるのはいつ買ってもうれしくなる。一缶2000Rと言うことは、6缶買ったら12000R=3ドル(=240円ほど)、一箱(24缶)買ったら48000R=12ドル、のはずが割引で11ドル(=860円ほど)です。・・・そら飲むよね。水代わりに飲むよね。で、空き缶がたくさんでるよね。

日本ではゴミ処理、すごい系統図が描かれ分別されていますが、この国では家庭ゴミ、産業ゴミくらいの区別しかありません。ゴミ収集車に持って行ってもらうときに出すでも、瓶も缶もプラも燃える燃えない生、ぜんぶいっしょに積まれている。でも一方で、町中で、ゴミ収集車とは別に昼間リヤカーを引いて缶やペットボトルを積んでいる人がいる。と言うことはおそらく回収をしているんだろうな、と思い調べると、一缶いくら、とか、重さで買い取りをしたりとかするんだよ、という。そういった仕事をしている人、職業名をエーチャイというらしい。日本語のわかるカンボジア人の友人に聞いたら、はじめ「えーちゃいさん」といわれ、「えーちゃいさん」が職業名だと思っていたら「エーチャイ」をさん付けで呼んでいた。日本では仕事をさん付けでよぶだろう?と言われ、ええ、そうだっけ?と思い返したが、確かに、「コンビニの店員さん」「おまわりさん」「歯医者さん」「花屋さん」「クリーニング屋さん」結構いろんな職業がさん付けで呼ばれていることに気がついた。どっちかっていうと子どもに説明するときの言葉のような気がするが、日本語学校ではそんなことを教わるの・・・?日本人は礼儀正しいでしょ、といわれ、そういうものなのか?と思わぬところで悩む。

さて、話がそれたが、空き缶を集める人がいるので家からのゴミは、普通ゴミ、空き缶、ペットボトルを別の袋で出していた。折角なら売ってみればいいのに、と言われ、それもそうか、と集めることにした。そしてあつまりにあつまった空き缶たちが画像です。いい加減エーチャイさんにお願いしたい。ところが家の場所が難しく、なかなかエーチャイさんと出会えない。家は4階だし駆け下りるのもたいへん。早朝に、エーチャイさんの音だ!と起きて駆け下りるも、道路に出たときにはどこにいるかすでにわからない。リベンジ、と思いベランダからエーチャイさんを発見しとりあえず叫んで手を振り回してみるが変な日本人がいやだったのか止まってくれない。てゆうか叫んでも通じないし。

そうしているうちに増える空き缶。このままでは、エーチャイさんに会えないあいだビールを飲まないダイエット、ができちゃうよ!と思っていたある日、やっとエーチャイお母さんをつかまえ、空き缶とペットボトルを引き取ってもらうことに。人によっては瓶もいいらしいのだが、今回はなしで、でも瓶もただで持って行ってくれた。私が溜めていた袋から缶を数えながら収集袋に移していくエーチャイさん、結局96缶+ペットボトルありました。ビールだけじゃないわよ!ペットボトルも一緒だよ!でもほとんどビールだけど・・・だって水代わりに飲めるんだもの。

アンコールビールの空き缶たちと赤ワインの空き瓶たちとスラーソー(注1)の空き瓶たちと日本酒の空き瓶たち(注2)と水のペットボトルたちはエーチャイさんに運ばれていきました。結果交換で手元に残ったのは2缶=100Rの換算で4700Rです。これでまたアンコールビール買って空き缶を溜めます。エーチャイさんはあの缶をまたどこか収拾屋さんに持って行って売る。リヤカーをいっぱいにして、いくらになるんだろう。プノンペンはリバーサイド地区からトンレサップ川の向こう岸、チュロイチョンワー地区の護岸工事を見に行ったときに、現場作業員の日給は3ドル程度だと言っていた。一日空き缶を集めて、そのくらいになるんだろうか。たまに小学生くらいの大きさの子どもエーチャイさんが引くリヤカーも見る。じゃあ私は94缶を子どもエーチャイさんとのやりとりで換金できるだろうか。きっとできないだろうな。出来ないけど、でも、いろいろわからない。

注1 スラーソーはカンボジアの米焼酎です。アルコールは25〜40度くらい、エタノールに近いような蒸留なのでお酒原料の持っている香り云々でなくエタノールのような甘いにおいがします。カンボジア人はプライド高いし見栄を張るので、プノンペンの都会っ子はスラーソーを田舎の酒といってあんまり飲まないそうですがわたしにはその手の見栄は関係ないし大好き。ロックで飲んでも飲みやすくおいしいが、ライムを入れたりこっちの果物を突っ込んだりいろいろできる酒です。

注2 日本酒の空き瓶たちはほとんど日本からいらしたお客さんのお土産です。カンボジアで飲んでも日本酒はおいしい。近所のローカル酒屋で白鶴生貯蔵酒の5年ものを常温で売っているのを見ましたが、明らかに琥珀色でしたが、あれば間違いなく米酢だよね・・・?ある意味飲んでみたい。私は日本酒、特に生酒が大好きですが、カンボジアで生酒は見たことがなく、あっても生貯蔵酒が限界で(生貯蔵酒と生酒は別物)日本食材の一番豊富にそろっていそうな某スーパーでさえ白鶴生貯蔵酒が常温販売だったので、この国で生酒は無理だろうな!と思う。代わりにアンコールビール飲む!