市場であさごはん

体調を回復させるにはご飯をたくさん食べるのがいちばん。というわけで今日は朝ご飯の話。

カンボジアの市場は、時間によって風景を変える。一番忙しそうなのは、大概の市場で朝(注1)。それぞれの売り場で品物を並べるあいだから、おかあさんたちの買い物でごったがえす。朝はさらに、特に6時から7時くらいの早い時間には仕事に行く前の食事をとる人たちでも大賑わい。市場に集まる人を目当てに市場の前にも屋台がならび、市場から帰る人たちを目当てに市場のまわりにバイクタクシーやトゥクトゥク、シクロがあつまる、と言う具合にまあ、とにかく大賑わい。

私の家から職場への途中の市場も、小さいが賑やかさは同じ仕組みで、その中に潜り込んでいってご飯を食べる。今日の朝ご飯はクイティウ。これはタイだとクイティアオ、ベトナムならフォーのこと。カンボジアでは細い白い米の麺が一般的だが、専門店に行けばいろいろな種類の麺から選べる。タイではいろいろ指定をしなけりゃいけないので注文もたいへんだが、カンボジアではクイティウといって肉の種類(牛とか豚とか)指定すれば画像のものが出てくる。店によってはこれしかねえよ!という、まあ、こだわりじゃないんだろうけど簡単な店もあるので注文も楽ちん。今日の朝も私が発した言葉は「クイティウ、サイッコー(牛肉)」のみ。

出てくる麺は乾麺をさっと出汁に通したもののはずなんだけど不思議と弾力があり、透明でしっかり出汁のきいたさっぱりしたスープによく合う。スープにはにんじん、大根などの柔らかくなった優しい野菜と、麺と一緒に軽く火の入ったもやしがたっぷり。香草はすくなく、ネギが散らしてある程度で、レタスが添えられクテム(注2)と呼ばれるフライドガーリックがかけられていて、スープに混ぜるとオイルから深みが出て美味しくなる。

好みでテーブルにある調味料を足す。クイティウにはライムを搾って酸味を足したり、唐辛子味噌を加えてぴり辛にしたり、が美味しい。カンボジアの朝は、涼しくなってきたとはいえ、7時過ぎれば30℃にちかい。そんななか屋外であつあつスープだけど、じんわり汗をかきながらやっぱりうまい。麺を食べきりスープを金属製のレンゲですくってみると、底にクテムがふやけてたまっている。これをがっつりたべて、今日も息がくさい!と思ったところで朝ご飯終わり。

あー、息がくさい!ニンニクくさい。よし、今日もがんばるよ。

注1 市場の中には24時間営業、ほかの市場に野菜をおろす卸売り市場のようなところは朝4時から5時あたりがいちばん活気がある、などもあります。うちの近所は6時半から7時がピークで通路を歩くのがたいへんだがその通路にバイクも鶏や魚など積んで走るのでもうひっちゃかめっちゃか。
注2 クテム(クテムスォ)はそのままカンボジア語でニンニク、と言う意味ですが、カンボジア語にはもともとある名前に言葉を足した名前を持つものがある。特に食べ物では、クテムバランというとバラン(フランス)のニンニク、となりこれはタマネギのこと。ドムローバランとなると、今度はフランスの芋、でジャガイモのこと。日本でもサツマイモは薩摩では琉球芋、琉球では唐芋という話を聞いたことがありますが似たようなことだね。
注3 書き始めたときはレストラン常備の調味料について書くつもりだったのに書き終わったら忘れた。次回!ん、ちなみに市場ご飯や屋台のクイティウは3000から5000リエルほど、レストランだともうちょい高いだろうか。100円朝ご飯です。