道ばたオイスター

カンボジアって海があるの?と聞かれることもあるくらい、みんなカンボジアがどこにあるか知らないので、その海で採れる海鮮が大変美味しいこともたぶんさほど知られていないのだろう。カンボジアには海があるんですよ。タイとベトナムに挟まれて巾着型をしているカンボジア、周りから色々攻められてこんな形になったんだろうなあ、と言う気がするし、海岸の部分が小さいことでも、海路を周辺諸国に押さえられてますね・・・という苦難を感じないこともないが、ともかくカンボジアの海岸線は、タイ国境のコッコンから、カンボジア第三の都市、海上輸送の基地となっているシハヌークビル(注1)、その隣の小さな港町ケップ、そのさきがベトナムとの国境、と言う具合になっている。

コッコンは近年ネイチャーツアーなどでも人気らしいが、シハヌークビルとケップはビーチリゾートとして人気。そこで採れる魚介も美味しいし、市場には新鮮な魚介類がわんさかならぶ。そしてこの魚介類がプノンペンやシェムリアップにも運ばれる、と言う具合。プノンペンの街中には、魚介専門のレストランがたくさんあります。店の前に大きな生け簀を持った中華系のおみせもあるし、店の前で炭をたき、イカやエビを焼いているカンボジアローカルの店もある。そんな中今日は道ばた海鮮屋の紹介。

・・・なんで観光客が食べなそうなものばっかり紹介しているのかと言われそうではあるが、食べられるものは食べたら良いけど食べられないものは読んだらいいじゃない、という開き直りです。読むだけならおなか壊さないよ!わたしはカンボジア人より胃腸が強いらしいのでおなか壊さないよ!(注2)

さて、そんなわけで道ばたオイスター。友人から電話で、仕事の後でみんな魚介食べに行くけど、行く?って聞かれる。行きますよ。なんだって食べるよ!カンボジア人はオイスターが大好きです。貝類が好きなんだと思う。シェル(二枚貝)もスネイル(巻き貝)もオイスター(たぶん牡蠣)もみんな好きだ。とりわけオイスターと彼らが言う小さな牡蠣は、日本で食べる濃厚な牡蠣の味とは違うが、貝の味が強く、さっぱりしていてたいへん美味しい。こちらの人は、チリソースにニンニクフライ(ガーリックチップのようなもの、クテムという)、それとたぶん鳳凰木の若葉と思われる草を一緒に牡蠣と食べる。はじめは、塩胡椒ライムで食べて、うまい!とおもっていたのだが、慣れるとニンニクとチリソースと謎の草の組み合わせにもはまる。

平皿にクラッシュアイスと一緒に山と積まれた牡蠣があっという間になくなっていく。一緒にオーダーした焼きエビも、焼き赤貝も、焼きイカも。会社帰りに職場の同僚と道ばたでオイスター、ひとしきり食べて喋って、じゃあまた明日、と家に帰る。道ばたの屋台は、仕事が、学校が終わって家に帰る前に、みんな友達と話をするために立ち寄るばしょで、それはつまり学生の放課後のファミレスで、ファストフードや公園で、社会人の仕事上がりの一杯飲み屋で赤提灯だ。日の暮れていくプノンペンで、同僚や友人と屋台で海鮮。道ばたでもすごく優雅な時間だ。こういうの、悪くないんだよ。

注1 シハヌークビルについては別記します。有名な都市だし、今更ですが、まあ、観光地だし。楽しいし。
注2 カンボジア人と食事をした翌日、おまえ昨日おなか痛くならなかったか?と聞かれる。え、なんともないよ、というと、そうか、大丈夫なら良かった、と。友人はおなかを壊して、「昨日のご飯(と言ってもこのときはウェスタンのバーのご飯とかだったと思うのだが)が駄目だったんだ、たぶん」と言っていた。わたしはほんとにおなか壊さないねえ・・・。日本人でも女性の方が男性より胃腸が強いような気がするが、こちらでも然り、男性のほうがおなかを壊しやすい気がする。旅行客は無理しないようにしましょう。画像、オイスターですが、写真撮る前にちょっと食べちゃった。このさらに10枚くらい乗ってた。
注3 これを書いたところで実際道ばたでオイスターを食べようとする人がいるとは余り思っていないのですが、一応情報を。このお店ではイカ1kg、貝1kg、エビ1kg、オイスター30個ほどを頼んで30ドルほどでした(カンボジア人10人くらいとともに)。オイスターは大きさで値段がかわります。このときは小さめで、1個30円くらいだったかな?