海より空よりエビカニ生食

お盆休みを使ってカンボジア第三の都市、シハヌークビルに小旅行へ出かけました。シハヌークビルはクメール語でコンポンソム。というか昔の名前がコンポンソム。カンボジア人にはこっちの方が通じやすいことも多い。たしかそもそもシハヌークビルは、もともと特別市だったのだが州になって、名前も州と同じシハヌーク、になったんだったような。よくわからないけど、通じやすいのでここではシハヌークビル。バスでだいたい4時間の行程、だけど、まず出発の日はお盆の初日と言うことで、9時発のバスが9時に出発するはずない。9時半になり、シハヌーク行きのアナウンスが流れたので、きたー、と思ったら、違う!あれは8時半のバスだ!と言われる。そうかいそうかい、8時半のバスが今来たのかい。じゃあ私の予約のバスは10時だな!

推察通り9時出発のバスが10時にバスターミナルを出る。が、その後は思った以上に順調で、プノンペンもほとんど混雑無く抜け、シハヌーク行きの国道も状態は良く、2時半頃にはシハヌークビルのバスセンターに到着。海沿いのホテルにチェックインし、ホテルのレストランからすぐ、ビーチに出る。泳ぎませんよ。海鮮を食べ、ビールを飲むのです。至福!シハヌークビルの海岸沿いにはバンガローや海の家のような休憩所がたくさんあるので、ソファやビーチベッドもたくさん並んでいるので、思う存分だらだらできる。いろんな物売りがやってきて、焼きたてのイカを1匹1000リエル(20円)で、とか、ゆで蟹をチリソースでどうだい(手のひら大の甲羅のワタリガニ、3匹で12000リエル(240円))?とか、足マッサージしない?爪を塗らない?フェイスエステしない?お土産買って?花火!といろいろ営業していく。のんびりしたいときには、もう良いって!と言いたくもなるが、別にしつこくないので、いらないよーと言えばニコッとして次に向かっていく。私はイカと蟹食べました。蟹が最高にうまかった・・・。そのまま夕日が涼むのをビーチで眺め、夜もワイン(注1)と海鮮を堪能し、遠くのビーチで西洋人が花火を打ち歓声を上げているのを微かに聞きながら就寝。あの人たちはどんなにお酒飲んでもきっと酔わないんだ。そして暗い間は寝たらいけないと思っているんだ。

翌早朝、朝の海岸散歩。あんだけ夜バカ騒ぎしていたように見えたが、案外ゴミが酷くない、と思ったら早起きのカンボジア人が掃き掃除をしている。カンボジア人は自分たちは道路にぽいぽいゴミを捨てるが、お店、仕事となったら自分の営業範囲をすごく掃除するんだな、自分の家の前然り(注2)。散歩の途中で沖合の島にゆくツアーを見つけ、よし、今日はこれに行こう、と朝10時発、夕方帰りの1日ツアーにその場で申し込む。ピックアップもあるというので頼み、ポートへ向かう。桟橋の船に乗り込めば、やたら陽気な船の外国人オーナー(ヨーロッパの人らしいがどの国かわからなかった)が出航時間の30分前から「行くぞ!よーし行くぞ!」と怒鳴っている。ほかの客は西洋人がほとんどで、スタッフのカンボジア人のほか、カンボジア人の客、中国、韓国などの観光客と、日本人は私のみ。港から2時間ほどの距離の島に向かい、途中珊瑚礁の綺麗な島の沖に停泊しスキューバの時間、それから船でブッフェの昼ご飯をとり、島に上陸。シアヌークビルの海岸は、水も、綺麗だと思っていたが、わずか離れただけでその綺麗さは桁違いだった。今まで見た海で一番綺麗なのは日本の小笠原、ジニービーチだと思っているのだが(注3)、こりゃ匹敵する。ツアーではマングローブ林にも分け入り、汽水域を抜けて白砂の海岸に戻る。良い休暇じゃないかーと思っていたのだが、のんびりの午後を島で過ごし、シアヌークのポートに帰る、その船の中がなんともやばかった。これはとても書けないが、日本でこんなイベントは絶対出来ないだろうな(もちろん法に触れることではない)、というオーナー主催イベントがあり(アルコールがらみ)出来るならやらねば、と参加しほろ酔いにて帰港、またホテルでぐっすり。

最終日、午後のプノンペン行きのバスを手配した後、シーサイドの海鮮レストランへ。海楽しい!とか、空気が綺麗(プノンペンが排気ガスだから)とか浮かれていたが、ここに来てこのレストランの生食に驚喜。生えび、生ガニ、うますぎる・・・蟹チャーハンもうまい。だが1度にあれもこれもにはちょっと量が多い。初日にこのレストランに来ていたらきっと通ってしまっただろう、という素敵さ。最終日、最後のご飯で良かったよ。結果、お盆旅行のシアヌークビルは、その印象は海より空よりエビとカニ、その生食。あのエビを食べにもう一度シアヌークビルに行きたい。

プノンペンに帰ってきて、トゥクトゥクで家に戻ったが、ドライバーに「まおぴー こんぽんそむ?(シアヌークビル行ってきたのか?)」ときかれ、「ちゃー、くだむ!(うん、蟹!)」と意味のわからん会話をしたのも仕方が無いと言うことで。

注1 フランスの植民地の影響があるのか、西洋人観光客が好きだからか、ワインの店やワインを提供するレストランはおおい。ローカル店でもたまにおいてあるんだよね。
注2 朝、自分の家の前を掃き掃除している人を結構みる。基本的にはきれい好きなんだと思うんだな。
注3 そもそもそんなに海遊びがすきなわけでないので、色々行ったことがあるわけではないんだが、亜熱帯の山中をすごく歩かないとたどり着けなかったジニービーチに思い入れがある。いまは陸路ではいけないんだそうですね・・・。