イルカ見るぞー!

さて、先週の出張の話。日本から調査に来てくれた同業の教授に同行し、カンボジアはプノンペンより300kmほど離れたクラチエ州の州都を拠点に州内の調査を。1週間まるまるの出張は私もこちらに来てから初で、しかも出発日とその時間だけが決まっていて行った先でどうなるかはいってみないとわからない、という日程。でも大概の場合海外での調査はそんなもんだ。いってみないとわからない。いっても無理はしない。だめなときはだめだとすぐにあきらめること。そうでないと無理してもけがするとか、ろくなことにならないから。

まず環境省カーで早朝にプノンペンを出発。クラチエまでは前日の環境省会議で、上司から午後2時くらいには着くだろう、と言われていた。同僚が、いや、12時にはつくよ!と言い張っていたが、それはあなたの運転がかなりかなりだからです。危ないんだもの、いっつも。

カンボジアの主要国道、特に大きな都市と都市をつなぐ道はもうすべて全面舗装になっていてかなり走りやすい。そんななか一番面倒なのは実はプノンペンとシェムリアップという2大都市をつなぐ道路なんじゃないか。2大都市ゆえに早くに舗装がおこなわれたこの道は、もちろん使って行くにつれて老朽化し、現在では他の主要国道より道ががたがたなんである。今回の行程も、はじめの分岐まではどうなることかと思ったが、その後のクラチエに向かう道がとても快適で、思ったより早く進んだ。1時半に到着し遅めの昼食をとり、現地政府の役人と明日からの日程の打ち合わせ。

私と日本からの教授に加え、プノンペンの本省から2人、クラチエ州の環境省職員が2名、クラチエ州の鉱業省職員が2名、現地警察が2名、現地雇いの車とドライバーで全9名の大所帯。この愉快な仲間たちで、あした朝から山に向かう旅がはじまります。ここに来て打ち合わせをしても、どんなことになるかはまだ、明日にならないとわからない。行ってみればわかるさね、と初日の仕事を終えた。同僚が、イルカ見るよ!という。

さて、ここでタイトル、イルカを見るぞー!クラチエは川イルカで有名なのです。イルカ公園ではほぼ間違いなくイルカが見られる。そこでプノンペンからの4人組はクラチエ州都からメコン川をすこしさかのぼった公園に。行く途中、教授が「ドリアンたべよう」と言い出す。好物だそうで、市場の果物屋さんで売っているドリアンを4人で。割ってもらってその場でビニル袋を手にはめもりもりもぎ取ってたべる。外でたべると臭くなくっていいね!とおもうけどたぶん端からは臭いんだろうな・・・。

公園では、川に沈む夕日と、遊覧の仕事を終え帰って行く船とイルカ。「でた!あたまがでた!」と騒ぎながら川を眺める私と、環境省の同僚に「船をここで1日借りたらいくらになるんかね?」と船持ちの地元民に尋ねるよう頼む教授。教授の仕事は終わってなかったみたいです。

クラチエは静かな川沿いの街、夜も早い。すこし街から離れれば電気のないエリアもあり、日が落ちた村では一軒に一個の小さな電球、あるいはそれもない中でもう人が寝付こうとしている気配がする。田舎の静かな空気は、プノンペンに普段いて1日騒音にさらされている私にはちょっとほっとする。日本の地元の静かさも思い出すなあ。

注1 市場でドリアン。お姉さんが向いてくれたけどその果実のせいか、お姉さんが練習中なのか、なかなかうまく剥かれずたいへんだった。でもおいしい!ドリアンは本当に美味しい。
注2 画像、メコンに沈む夕日。プノンペンでは太陽は川に沈まないので、メコンに沈む夕日は見られません。川にしろ、海にしろ、水に沈んでいく太陽と言うのはなんかよいね。