踊るジャックフルーツ

早朝にホテルをチェックアウトし、昨日取りきらなかったサンプルを最後に採取してプノンペンへの帰路につく。今日は車に乗っているだけだー、と車で寝惚けていたが、ふと目を覚ましたら、車が止まっている。なんでだ・・・?休憩?見るとドライバーと同僚が道ばたの店でなにやら買い物交渉中だ。どうやらこのエリア(クラチエ州都から七号線への近道あたり)ではジャックフルーツが名産らしい。同僚たちは道ばたの直売店でジャックフルーツを買っている。

でっかいの2個、10000リエルくらいでかえるのか、それはプノンペンでは考えられないね。というかプノンペンで丸ごとサイズは買わないよね。ジャックフルーツってほんとでかいんです。重いんです。長さ50から60センチ、直径が20センチ以上もあるんです。これを4つ、車に積み込み、車ががたぼこいうとジャックフルーツもはねる。あのとげとげの皮は、中身の黄色い房をこういう衝撃から守るためにあったのか・・・←違う。プノンペンに帰ってきてからも、ジャックフルーツのにおいをそこら中で嗅ぐようになった。どうやら今が旬なんですね。

踊るジャックフルーツとともにクラチエとプノンペンの境にあるコンポンチャム州に到着。ここでご飯をたべ、コンポンチャムには乾季に登場する橋があるな、とメコンの絆橋(注1)下流にかかる竹橋に向かう。水位の下がる乾季にのみ出現し、雨季には解体されるという非常に手間のかかっている橋が画像の竹橋です。我々は歩いてわたってみることに。交通量が500リエルかかるらしい、が、どこで回収しているのかわからない。それに橋の感触はふわふわでおもしろいが、いかんせん暑い。この1kmを歩ききったら対岸の島で倒れるぞ・・・?と思い、同僚に引き返して良いかい、と聞く。教授が「でもどこでお金払うんでしょう」という。同僚が通行人を捕まえ「お金ってどこで払ってんの?ここで引き返したらどうすればいいの?」ときくと、「渡らなきゃいらないんだよ、むこうで払うんだよ」と言われる。・・・じつに適当なシステムだ。カンボジアらしいシステムだ。というわけでタダ見学してかえってきちゃった。ま、橋は通行のためのもので我々のように見学っていうのは用途でないから、普通は渡りきるんだよね。でもこんなおもしろい橋、入り口で観光客からお金をとればいいのに。地元の人が毎年がんばって作るんだから。遺跡の入り口ばかりが観光地の改札ではないとおもうなあ。

さて、無事クラチエからはプノンペンに戻りましたが、これは金曜日の夕方のこと。このあと調査旅行はまだまだ続く。週末は別の州へ向かうんだよ・・・。

注1 日本はいろんなとこで橋を架けたり道路作ったり下水どう掘ったりしてますがここも然り、コンポンチュナンの街の真ん中から、メコンの対岸に渡る橋はキズナ橋、というなまえで、日本の援助によるものです。
注2 竹橋は手間がかかっている橋ですが、近年コンクリート製の橋を架けるという噂もある。この仕組みがなくなったら残念だけど、手間を考えると橋を架けた方がいいのかなあ。難しいところです。1度橋を作って竹橋の建設のノウハウがなくなったら、もう竹橋がかかることはないもんね・・・。はじめは沈下橋なのかな?と思っていたのですが流れ橋にちかいらしいです。てゆうかこの橋の建設現場を見たいよ!そういうのをどうして映像に納めないのかなー?