川の名前いろいろと神頼み

今週はお隣のオゾングループが全員会議で他の州にまとめて出張のため、われわれがただ乗りしている「インターネットの電源」が入らないので一週間ネット使えません。現在自前のモデムで接続中ですが、そんなわけで更新が途絶えておりました。途絶えていたんですよ。最近突然サボったりしているので、途絶えていたと気づかれていなかったりして。それもまた寂しい。さて、先週まで書き綴った、12月はじめの調査について、プチ雑感。

今回の調査で、川水を色々採ったのだが、日本では河川といったら「川」以外にあんまり呼び名はない。強いていっても「川」と「河」くらいだろうか。どんな川も「○○川」という名前になってる(注1)。
カンボジアではそのサイズによって、川がいろいろに変化する。大きさ別に並べると

おう
ぷれっ
すとん
とんれー

いちばんおおきいのは「とんれー」これが大河川ということです。「とんれーさっぷ」「とんれーばさっく」「とんれーめこん」などがそれです。すとんはもう一つちいさく、「すとんしぇむりあっぷ」「すとんせん」「すとんてー」などあります。ぷれっ、と、おう、はもっとちいさい川、小川や渓流などのようなものを指しているらしいのですが、まあカンボジア人の区別はちょっといるだけの日本人には感覚的にはわかりません。同僚に聞くと、人によってすとんとぷれは一緒だ、とかいうし。詳細はカンボジア国土地理院(注2)、というのがあるかわからないがとにかく公式発行っぽい地図を見ると、それぞれの英語訳がのってます。じゃあそれを書いてよって話よね。まあ興味がある人は調べてください。

生活に密着したものの名前は詳しくなる、という仕組み(注1)は、どの国も代わらないとすれば、この国には水に密着した生活がたくさんあった、ある、のだろうと容易に想像できる。

トンレサップ湖を縦断してカンボジア国内の2大都市を移動し、トンレサップ湖に調査にでて、船にぐらんぐらんゆられ、シェムリアップからの飛行機で眼下にトンレサップの湖岸線を眺める。雨季と乾季の切り替え時期に、流入と流出と勾配の奇跡のバランスで絶妙に大きさを変え、豊かな土壌を作り、カンボジア人の胃袋の60%を支える魚類のタンパク質を育み、メコン川の巨大遊水池として機能するこの湖は、それでも遙か昔からは大分大きさなど変わっているという話だが、人の力で制御などできないこの手の強大な自然の仕組みは、気象の変化などでおかしなことが起き出すと、本当に大変なことになるだろう。お願いだからバランスを崩さないでね、と神頼みに近い気分になった。

注1 日本も山と川と多いし、名前はいろいろあって良さそうと思ったが、川は案外ないですね。生活密着の名前が詳しくなるのは、たとえば肉食の国で肉の名前、とか、魚を多食する日本では成長に合わせて魚の名前を変えてみたりとか?いろいろですね。英語ではpigとporkは別の単語ですが、日本で、豚、豚肉、というように、カンボジアもチュルーク(豚)とサイッチュルーク(豚肉)という具合に肉を意味する単語がつくだけです。仲間。
注2 日本での国土地理院発行の二万五千分の一とか、一万分の一のような地図がカンボジアにも本屋で売っているのですが、どこが作っているのかよくわからんのです。でも発行2010とか2012とかなっているのはおそらく国でやってると思うんだけど。今度調べてみよう。