食欲関連アラカルト1

なんか書いてみたらえらく長くなったので、ご飯シリーズ2回にわけました。

土曜日の仕事を半分で終わりにし、アートストリートに行く前にセントラルマーケットで昼ご飯を食べることにした。セントラルマーケットの食べ物どころは、市場の規模さながらでかなり大きい。食料品売り場のサイズも、その脇にあるできあいがだべられる場所も。今日は何となくカレー気分だったので、ソムローカリーヌンバンチョックをたべる。ヌンバンチョクはカンボジアの生の米麺。生の、と書いたのは乾麺で無い、と言う意味で、米で出来たそうめんのような細い麺が、ヌンバンチョク製造屋さんからバナナリーフに綺麗に並べられて出荷されていて、市場に並んでいる。この麺打ちもバナナリーフに並べるのも職人技だよなあ・・・。ヌンバンチョクの食べ方はいろいろだが、ソムローカリーとか魚の緑のスープでたべるのが一般的だろうか。カレーはもちろん日本人にはハードルの低い食べ方でだめな人はほとんどいないように思うが、魚の緑のスープは臭い草とすっぱい甘いスープなのですこし好みが分かれるかな・・・。なんにせよこの米麺は本当に美味しいので、暑さにやられて食欲が無くてもそうめん感覚でさらっといけます。まあ私はどんなに暑かろうと食欲は落ちませんけど。

カンボジアの果物屋台は、糖分と水分の補給のためのコンビニと同じ。そこら中で見つかります。パパイヤは実は生で食べると臭いです。だめなひとはドリアンよりずっとだめなきがする。甘みもマンゴーやその他の南国植物ほど強くないが水分補給には良いです。それと、名前がわからないが水芋。芋なんだそうですが(地下茎と言うべきか)日本では一番似ているのはたぶんヤーコン。生で食べれるので、つまり難消化性のデンプンが少ないか消化酵素が一緒に入っていておなかを壊さない仕組みの芋(注1)なんだと思う。この芋が、なしの様にほんのり甘くて水分量がすごい。これに唐辛子塩(オンバルマテッ)を付けて食べるので、水分、おそらくミネラルに塩分に辛み成分と、暑い場所での体調管理に完璧な食べ物なんだなあ、よく考えられているなあと感心する。こちらの人は、いつ、何をたべれば良いのか、こんな時は何をたべてはいけないのか、を本当によく知っている。体調管理に大事なのはおばあちゃんの知恵袋なのだ。

さて、旅の成功は食事の充実に左右されると言っても過言ではない、と言うようなことを前に書いたような書かなかったような。とにかく食べ物は大事、一番大事。人間たべないと死んじゃうから。カンボジアでは挨拶に「にゃむばーい?(ごはんたべた?)」ときかれます。たべていてもたべて無くてもいい。挨拶にご飯が出てくるくらいご飯大事。10時のコーヒーも、3時のおやつも仕事上がり前の夕方屋台も、たべて、話して、笑って、楽しくないはずが無いね。この国に旅に来たら、いろんなご飯を美味しく食べてください。

注1 1年の生物の授業でも説明しましたが人間にはアルファ化していないデンプンの分解酵素がありません。だからベータデンプンをそのまま取るとおなかこわしますよ(消化分解しにくい)。これが生の芋をたくさん食べてはいけない理由。ジャガイモのサラダなどは、デンプンを抜くために千切りにして水にさらしますね。例外が山芋、これは分解酵素(ジアスターゼ)を自身で持っているので、生で食べても大丈夫です。不思議な食べ物だなー。詳しく書くときりが無いので簡単に書きましたから、詳しく知りたい人はちゃんと調べてね。