トイレとゴミ箱

  普通の旅行記でトイレの話なんか大々的に書いたってしょうがないが、専門は土木、分野には下水道、衛生って言うのがあってその専門の先生も同僚にはいらっしゃることですし、トイレ推しで。まあ、たいした話でもないですが、一応タイトルで警告しましたよ、ご飯食べてる人。

 先に行ったレストランで入ったトイレは、プノンペンではかなりきれいな部類、トイレットペーパーもあるし(注1)、とてもよく掃除されている。ただ、最近は小奇麗なレストランではこのくらいのきれいさはそんなに珍しくはない。韓国資本のチキンのチェーン店やピザ屋などもトイレはきれいです。
ほかと違うちょっと気になったことは、このトイレ、いいにおいがする。日本では消臭剤がおいてあることは珍しくないけど、ここでそういったものはあまり見ないので、なんだかな?と思って、個室に入ってわかった。
写真に何か変わったものがあるのがわかりますか?右の隅、ゴミ箱サイズのかごにてんこもりのオレンジの皮、です。この柑橘系のにおいが、トイレに入った瞬間からしていたのでした。
おそらくレストランでオレンジジュース(注2)を出したときにむいた皮をそのまんまかごに突っ込んでトイレにおいているのだと思います。いやあ、面白いことを考えなすったね。良いにおいだし、いい案だとおもう。ただ、どこにでもアリが這ってくるこの国で、オレンジにアリが集らないのだろうか、ということが心配になりました。

ちなみにもうひとつの画像は自宅トイレ。水洗だけど、それとは別におっきいプラスチックバケツに水が汲んである。プラスチックバケツは家を借りるときの物品リストにも入っていた。なんだろうなぜストックなのかはよくわかりませんが、一方で水洗でないおうちではこのバケツにためた水をひしゃくで便器に流し手動水洗にします。奥にあるシャワーヘッドの小さいようなものはこれも手動のウォシュレットです。こちらの洋式トイレはこのウォシュレット、たいがい標準装備。田舎のトイレで和式のような形の場合には水桶とひしゃく、というだけのとこも多いと思います。まあそれがあればいいやな。

 もうひとつ、ごみ収集の話。プノンペンの街中は基本的にごみ掃除や街路掃除の人たちが毎日掃除をして回っていてきれいです。ごみは夜に出しておくと夜中ゴミ収集車が回って朝までに持っていく仕組み(らしい)。夜遊びをして帰る途中でたまにゴミ収集車を見たことがあります。で、通勤に公園を通過するのですが、その公園にたくさんゴミ箱が設置されていて、このゴミ箱がかわいいのです。タイヤを開いてひっくり返して色を塗って作られたものが設置されてるんですが(蓋つき)、字が書いてあるもののほかに空き缶を捨てる人の絵とかペンキでスプレーしてある。このゴミ箱からもごみ収集されてゆきます。

 ごみの話はいろいろ難しくて、ラボで出た廃棄物をどう処理したもんかなあ・・・とかも考えてるんだけど、その話はまた今度。衛生工学の話のかけらもなかったな。

注1 トイレットペーパーはほとんどないです。この国には下水道システムが存在しないし(内戦前の古い管路はあるらしい)紙流せないし。あ、少し衛生工学の話っぽい。一応下水の流れるオープンキャナルはあって、ポンプ場からプノンペン郊外の湿地帯に流れ込んでいます。そしてその湿地帯で取れるクーシンサイがプサーから食卓に並ぶ。食物の、栄養の、循環サイクルが小さい。
注2 レストランでもプサー(市場)でも、青いオレンジをくるくるむいて絞ってくれるオレンジジュースは本当においしい。日本人は砂糖なしで飲むのがおすすめ。。こっちの人はすごい甘いのが好きなので、砂糖なしにしないと底に砂糖入りがきます。