シャツを作るよー

 いつもの作るよシリーズとちょっと毛色の違うこちら、本当にシャツです。着るやつ。というかいつもの作るよシリーズが変なもの作りすぎ。こっちが普通か。きっかけはカンボジア人の友人の着ているシャツが、なんかやたら仕立てがいいような気がする・・・?と気付いたところから。モトの後ろに乗っけてもらって、襟元の仕立てが、ものすごく綺麗なシャツだな・・・?と思い(注1)、よくよく見ると袖口や前のボタンの比翼、ポケット、すごい細かいスキルがいろいろわかり、うわあーこれは・・・、となり、襟を引っ張って(友人はぐぇ、ってなってた、運転中にやると危険)これどこで買ってるの!と聞く。すると「・・・プサーオーランパイ。」

オリンピック市場?服が?と聞くと、布が、という。オリンピック市場はオルセー市場と並んで布屋さんの多いところ(注2)。よくよく聞くと布をオリンピック市場で買って、街の仕立て屋に自分サイズで仕立てに出している、という。そうか、これはその仕立て屋の腕か・・・。
さて日本人、またむくむくむく。シャツを作りたいよ!というわけで休日にシャツを作りに出た。もともとカンボジアで服の仕立てをするのは楽しい、という情報は知っていたのだが、仕立てにそれなりの日数がかかる(1週間くらいとか)、と聞いていたので、短期滞在ではあきらめていた。今こそがチャンスだー。

オリンピック市場で布を買う。あふれかえらんばかりの布、いろんな産地から、ここに集まってきてる。今回は白いシャツ、ベーシックなのを2枚、半袖と長袖で作るよー。生地を変えて2着分、5ドル。私は、ほかのお客さんは男性のシャツやスーツ生地の店で布を買ったけど、お姉さんたちがきれいにたたんでいるドレスの布は、布自体から光がでてんのか?自力で発光してんのか!?と思うくらいスパンコールやビーズがっちがちでぴっかぴか。まあ縁はないけど眺める分には楽しいです。伝統の模様の布屋さん、こっちも楽しい、しすっごく綺麗。うん、そっちの画像載せなさいよ、って話ですね。またの機会に。 

さて次は仕立て屋さん、プノンペン市内は仕立て屋さんたっぷりありますね、私が頼んだところは店舗でしたが、市場の中にもある。おじさんがオーダー帳に絵を書き入れながら、襟の仕様、ポケットの形、袖の長さ、カフスの長さ、ボタンの間隔、採寸しながら全部書き込んでいく。仕上がりは頼んでから4日後(注3)、仕立て代前払いで払って、支払済み、をレシートに書いてもらって。レシート無くすな!をすごいいわれた気がする。なんなの、おっちょこちょいは言葉が通じなくても雰囲気でわかるものなの・・・?お店ではお兄さんたちが集中してミシンを踏んでいました。よろしくお願いします!

さて、そんなんから4日後、できたー!私のオーダーメイドができたぞーう。半袖も長袖も、すごくぴったりに出来た(採寸したんだから当たりまえ)。このシャツが布から総額数百円で出来ているというの・・・?くらくらする。もう、毎月一枚シャツを作ることにする。いや、ほんとにそんな気分になるんですよ。なんか良くないか、毎月一枚気に入ったぴったりのシャツが出来上がってゆく、っていうのは。・・・太れない。

毎日作業着で仕事していますが、作業着の中はオーダーメイドのシャツ!作業着だけど、すごい仕立ての良いシャツ!いや、どうせわからないだろうと思うけど、なんか変な美学でちょっとうれしい、だって、作業着は私たちにとって万能な服です。私はできないけど、同僚の先生方はこれにネクタイでもちゃんと通用するんだろうなぁ。やあ、なんか観光っぽい事書いちゃったぞ。どうですか、カンボジアで御仕立て。素敵な服できます。うーひーひーひー!←喜びすぎて変な笑い方してたらカンボジア人に気持ち悪がられた。

注1 自分でも少し洋裁をしたりするので、襟元の細かい処理とか、コンマミリ単位の仕事がすごい!って思いました。本当に、スーツとか仕立てるとすごいんだろうなあ。
注2 プサー(市場)は有名どころから小さなものまでたっくさん在りますが、結構いろいろ特色がある。特に大きいところは。観光客向けにはプサートメイ(セントラルマーケット)、プサートールトンポーン(ロシアンマーケット)、プサーオルセー(オルセーマーケット、あ、そのままだ)辺りが有名です。また気が向いたらそれぞれの市場レポートでもします。ちなみにカンボジア人に「どのプサーが好き?」と聞いたら「好き・・・?」と悩まれた。そりゃあ、生活の買い物に好きも嫌いも考えないよなあ。
注3 今回が4日だっただけでいつもそうとも限らないと言われた。でも4日は早いほうで、長くて10日ぐらい、と。4平日でなく休日をカウントしての4日は本当に早いな、という感想。もちろん仕立てるものによると思います。